【Fashion】最適化されたクローゼットを求めて

今年の7月と8月、一着も服を買わなかった。おそらく大学生の頃から数えて初めてのことだ。しかしファッションに対する興味がなくなったわけではなく、むしろ毎日コーディネートを選ぶのが楽しい。

つまり33歳にして、MYワードローブが最適化してきたということだろう。これまで、流行のアイテムをひとまず取り入れてみたり、クローゼットのカラーパレットを埋めなければいけない気がして、もっていない色の服を買う義務感に駆られてきたりしたが、この1~2年は「本当に欲しいもの」を納得して買えるようになった。それは値段の高い安いはあまり関係がなく、安いものは安いもの、高いものは高いものとして、適材適所(私がいちばん好きな四字熟語だ)に揃えることこそが重要だと思う。というわけで、クローゼットのラインナップにはおおむね満足できている。

ここでは、そんなクローゼットを構成するアイテムをご紹介します。

●My Favorite Things

・ジャケット

カーディガンより断然ジャケット派。たぶん体型的にも、直線的なシルエットが似合う。
左から、大きなボタンが印象的なUnited Bambooのジャケットは、25歳ごろにセールで買ったもの。川上未映子先生が『早稲田文学』復刊第1号の表紙で着ていたのとお揃い。
真ん中はランバンオンブルーの薄手ジャケット。これも25歳ごろに買ったのをもう8年くらい着ている。
ゆったりサイズのツイードジャケットは、義理の姉からもらったGU。気負わずに羽織れるので重宝。

・ブラウス

カジュアルすぎる格好だとおしゃれに見えないタイプなので、ブラウスは定番。編集者っぽい格好をするときはまず選ぶ。

こちらの2着は、20代中盤の頃着ていたワンピースをリメイクしたもの。今着るには丈が短め、でも柄が気に入っている場合は、お直し屋さんでカットしてもらうことにしている。
黒い花柄のほうは、ワンピース時代はVネックが表側だったが、ペプラムブラウスにしたら裏返してボートネック風に着たほうがしっくりくるように。洋服は本当に着てみないとわからない。

・赤×紺の組み合わせ

字面だと派手に思えるけど、意外とシックな雰囲気になって大好きな組み合わせ。
秋冬によくはく靴下、東南アジア旅行に大活躍するウエストゴムのパンツ、ガウン風のMURUAのニットコート。

・クラッチ

鞄は平日は毎日同じリュックというほどあまりこだわりがないのだけど、クラッチだけは集めてしまう。
いちばん古いのは右下のGRACE CONTINENTALのビーズクラッチ。10代の頃に買って、振袖に合わせて持ったことも。ドレスアップのときに出番が多いのは、真ん中のシノワズリっぽい雰囲気の紫のクラッチ。
右上のは2018年のブルーノートジャズフェスティバル(結局中止になった)のグッズで、リアン・ラ・ハヴァスのライブに行ったら無料でもらえたんだけど、意外と使える。

・指輪とイヤリング
普段よく使うアクセサリーは、指輪とイヤリング。

こちらはスタメンリングたち。上段が大学生の頃買い揃えたnojess、2段目左はディオール、右はおニューのバーバリー、中央は2本セットの婚約指輪(イスラエルのartemerというブランド)で、下段左はアルティーダウード、中央と右がnichinichi。
ディオールやバーバリーというと高価なイメージがあるけど、ジュエリーではないので意外とお手頃、ふたつとも3万円弱。

スタメンイヤリング。左上の2つはLULA MAE。左右の形が違うのが粋で、結婚式でもつけた。
いちばん大きいスペースにあるのは、伯母の遺品としていただいたシャネルのもの。フェイクパールなのでとても軽く、今つけてもおしゃれです。

ネックレスやブレスレットは、前者はあまり今の気分じゃない、後者は腕時計とかち合ってしまうのがストレスという理由で、普段はあまりつけない。でもそれも、年齢によって変わっていくかも。

●コーディネートの考え方
スタイルが確立されている人を格好いいなと思う反面、自分自身は飽きっぽいので、なにかしら毎日テーマを決めて洋服を選んでいる。
その際に気にするのはこんなこと。

・色(同じような色を連続して着ていないか、プレゼンなので明るい色にしようなど)
・フォーマル度(ずっと社内作業か、社外の人と打ち合わせがあるか、取材ならとくに綺麗めにしようなど)
・仕事後の予定(女友達とおしゃれな店に行くから新しい服をおろそう、焼肉屋に行くから洗いやすい格好にしようなど)
・天候
・そのときハマっていること(直前に見た映画やライブにすぐ影響される)

たとえば1日中デスクワークの日であれば、袖をまくりやすいトップス+ウエストゴムのワイドパンツ。取材後に直帰で外食なら、きれいめなワンピース+ぺたんこ靴など。

ツイッターではときどき「実録1週間コーデ」として、コーディネートを公開しています。

・2019年夏編

・2019年秋編

1週間単位で振り返ると、そのシーズンのワードローブで便利だと思っているもの、たりないものが見えてきて面白い。秋編をつくって、黒以外のローファーやスリッポンが必要だなと思ったので、いま探しているところ。

●失敗したときは
とはいえ、まだ失敗することも。ブランド名+オフ率に惹かれて飛びついたり、試着せずにえいやっと買ったりすると、あとで後悔することが多々ある。

そういうときは、返品できるならする、できないならメルカリなどで転売するなど、なるべく早く手放すようにしている。損したなぁと思うものをいつまでも置いておくほうが精神的にストレスなので。経験上、手放したら意外とすぐに忘れるものだ。

あと、ポケットがないボトム、アイロンがけが必須の服も、よほどデザインが気に入ってなければ手を出さないようにしている。

しかし、そもそも絶対に失敗しない買い物など有り得ないし、それも含めてファッションを楽しめたらいいなと思う。

なにより大事にしたいのは、こうありたい自分を表現する格好をしたいということ。楽観的でふざけてて、ときどきトゥーマッチ。さらにその日の気分で華やかに装ったり、逆にラフにしたり。
気に入った格好をしている日の私は機嫌がいい、きっとそういうことだろう。

@girliennes