【Music】2010年代のベスト曲<ガーリエンヌ編>

2019年12月31日、つまり2010年代最後の日にお送りします。ガーリエンヌの「2010年代ベスト」曲編です。

10. Spending All My Time/Perfume(2012)

Perfumeは、私にとってはずっと「本人たちには非常な敬意を払っているけど、楽曲的にこれだ!というのがじつはない」という存在でした。が、それを上書きしてくれたのがこの曲。多くを語らず、機械的に同じ歌詞が繰り返されるだけ…のはずなのに、この典雅さと、発せられるメッセージの大きさよ。いちポップグループの域を脱して、彼女たちの生き様そのものが音楽になっている証拠だと思う。
「東」を想起させる制服のようなファッション、超能力実験をテーマにしたというビデオも、2010年代のトピックある百合SFを先取りしている…と言っても言い過ぎではないはず。

9.Do Or Die/Doverman Infinity(2016)

2010年代のエンタメエポックメイキングといえば、LDHのHiGH&LoWシリーズを外すことはできません。
「Higher Ground」も「Run This Town」も「Top Down」も大好きだけど、カラオケでいちばん歌ったのが、山王連合会のテーマソングであるこの曲。

付きまとう試練 神からのご指名
また俺かよ けどもう動じねぇ

一発目からこのパンチライン。全編、己を鼓舞しまくる歌詞に最高にたぎる。
細かいこと言うと、自分自身に対して歌っているだけでなくて、さらっと「Let me take your heart to my story」の一言が入ることで、仲間や“君”がいるって存在を感じさせるのも上手いなーと思います。
HIROさん! 20年代もお世話になります!!

8. Your Best American Girl/Mitski(2016)

日米ハーフ、2019年のフジロックのステージも話題を呼んだミツキ。この曲に関しては、もう本当にサビの歌詞がすごい。

Your mother wouldn’t approve of how my mother raised me
But I do, I think I do
And you’re an all-American boy
I guess I couldn’t help trying to be your best American girl

あなたのお母さんは、私が母にどう育てられたかなんて、わかることはないでしょう
でも私はわかる、わかると思う
あなたは生粋のアメリカンボーイ
私はあなたの「ベストアメリカンガール」にはなれない

深夜のツイッターか? というくらい心の声がダダもれなのに、メロディと完全に一致していて、曲のサビとして成立している。何回聴いても一緒になって胸を引き裂かれるほどエモーショナル。

7. You Need Me, I Don’t Need You/Ed Sheeran(2011)

素朴な容貌の赤毛のフォークシンガーが、マシンガンのごとき早口で、皮肉たっぷりの歌詞を歌う…見事に度肝を抜かれました。その後もヒット曲を連発しているけど、私はこの曲がいちばん好き。
最後に一瞬だけ本人の顔が写るモノクロのビデオも超クール。

6. The Sound/The 1975(2016)

シンセサイザーがきらめくキャッチーなダンスチューンであると同時に、シビアな失恋ソング。「君が近くに来たら、心臓の音でわかるんだ」とサビで歌って、ハッピーなラブソングに見せておいて、思いきり裏切るのがこのバンドらしい。
個人的に大好きな映画である『世界一キライなあなたに』(2016)の重要シーンでかかったことも含め、強烈に「2010年代」のイメージで刻印されています。

5. Teenage Dream/Katy Perry(2010)

大人だからこそ歌える“Teenage Dream”の説得力。
この曲を発表したのは、ラッセル・ブランドと婚約して幸せの絶頂の時期。現実は、その数年後に破局を迎えてしまうのだけど、「We can dance, until we die / You and I, will be young forever」と歌われる瞬間の真実は永遠。

4. Young And Beautiful/Lana Del Rey(2013)

変わり映えがしない、マンネリなどと言われようとも、アーティストにはしつこく繰り返し取り上げるべきテーマがある。ラナ・デル・レイにとってのそれは、愛を捧げること、喪失、そしてアメリカの夏の美しさについて。
3つの要素が見事に結晶化したこのバラードは、『華麗なるギャツビー』の世界観そのままに、聴く者を白昼夢のような陶酔に引きずり込みます。

3. Lean On/Major Lazer & DJ Snake feat. MØ(2015)

10年代はDJがスーパースターになったディケイドでもありますが、それを象徴するメガヒット曲。三つ編み×アディダスというアイコニックなファッション、ピンクが印象的なインドの風景、ゆるいダンスのビデオも中毒性が高くてハマりました。
あと何度聴いても、どうしても雨宮まみさんのことを思い出しちゃうね。

2. Boom Clap/Charli XCX(2014)

Boom,Boom,Boom Clap!という直球のイントロが脳天に響くたび、曲が終わるまで3分間、(気分的に)直立したまま聴きとおしてしまう。
暴力的なまでの瑞々しさは、青春としか言いようがない。その後のDIY精神を忘れないキャリアも頼もしく、次の10年でいよいよ大成しそうなアーティスト。

1. We Found Love/Rihanna feat.Calvin Harris(2012)

合法ギリギリの“聴くドラッグ”。サマーソニック(2012)で流れたときは会場が異様な狂乱状態に陥って、私も頭が真っ白になった。
目を背けたくなるのに凝視してしまうビデオも含めて、2010年代でもっとも危険で刹那的で、そして哀しいラブソングです。

【次点】

The Chemichal Brothers「Swoon」(2010)
Talor Swift「We Are Never Ever Getting Back Together」(2012)
Aimer「RE:I AM」(2013)
The Naked And The Famous「Hearts Like Ours」(2013)
ゲスの極み乙女。「猟奇的なキスを私にして」(2014)
Ariana Grande feat.Iggy Azalea「Problem」(2014)
Qrion「beach」(2015)
Rina Sawayama「Alterlife」(2017)
Ariana Grande「Thank You,Next」(2018)

2010年代の総評に関しては、【Music】2010年代のベストアルバム<ガーリエンヌ編> もご覧ください。

それではみなさん、良いお年を!

@girliennes

【Music】2010年代のベストアルバム<Chia編>

2010年代のベストを振り返る企画、今回はChiaが選ぶアルバム編です。

10. Sound & Color/ Alabama Shakes(2015)
前作『Boys &Girls』でのルーツミュージックの解釈はわりと古典的でオリジナルに忠実な印象だったが、こちらはよりサウンドがクリアになり、ギターの一音一音が際立っていて、空白が増えた分、無駄な音を削ぎ落としたような印象。

モダンに昇華されたサウンドと、ブリトニー・ハワードのソウルフルなボーカルとの対比が素晴らしく、Alabama Shakesらしさというものがより顕著になったアルバム。

9. Shields/ Grizzly Bear(2012)
Grizzly Bearの中でも一番好きなアルバム。光と影を散りばめた、美しい印象派の絵画のような作品。

哀愁あるエド・ドロストのボーカル、コーラス、オーガニックな楽器の音色が輪郭をぼかすようにしながら合わさり、全体像を描いていく様子が、なんともドラマティックだなと思う。ラストの「Sun in Your Eyes」は思わず息を飲んでしまうように壮大で美しい一曲。

8. The Rip Tide/Beirut(2011)
この10年ずっと聴いていて、おそらく今後も聴き続けるであろう一枚。インディーロックとバルカン・フォークなどのワールドミュージックを合わせたような、見たこともない国への郷愁を呼び起こすかのような音楽。不思議で、温かく、美しい情景が眼に浮かぶ。

なぜかヒップホップやR&Bアーティストからの支持が高く、Chance the RapperやMacklemore & Ryan Lewisもサンプリングで曲を使用していたり、以前はSZAもインタビューで「ベイルートを聴いてる」と語っているのが興味深い。

7. The Epic/ Kamashi Washington
10年代は新世代ジャズのアーティストの活躍が目立ったが、中でもカマシ・ワシントンの功績は大きかったと思う。「秋の夜長にジャズはいかが?初心者も聴きやすい新世代のアーティストたち」の記事でも紹介したけれど、なかでもジャズの歴史を探究し、包括し、なおかつ現代風に昇華した「Epic」のインパクトは大きかった。

個人的にはマイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーン、セロニアス・モンクらのモダンジャズにも通じる、大胆かつ鮮やかな流麗さを感じるアルバムだ。新旧問わず、多くのジャズファンの心に訴えかける作品に仕上がっている。

6. The Suburbs/Arcade Fire(2010)
「郊外で車の運転を覚えたんだ/君は僕らが生き残れないと言った/母の鍵を掴んで出発する」一曲めの「In the Suburbs」の歌詞でわかる通り、崩壊するアメリカの郊外と、そこに住む若者の葛藤についてのコンセプチュアルなアルバム。

そして、これはボーカルのウィン・バトラー自身の物語でもある。テキサス州のヒューストンに生まれ、9.11以降のアメリカ政権に見切りをつけてカナダへ移住した彼の、故郷への複雑な思いがこのアルバムには表れている。

独特の浮遊感と疾走感のあるサウンドは「ここではないどこか」へと向かう、郊外の若者が感じる倦怠、閉塞、焦燥をメランコリックに表現している。アルバムごとに違う魅力を見せてくれるバンドだけれど、全体を通した曲の流れが特に素晴らしい一枚だ。

5. The Idler Wheel Is Wiser Than the Driver of the Screw and Whipping Cords Will Serve You More Than Ropes Will Ever Do/Fiona Apple(2012)
学生時代からフィオナ・アップルが好きで、過去のアルバムも何度も聞いていたけれど、まさかこんなに素晴らしいアルバムに4作目で出会えるとは思わなかった。ヴォーカルとピアノとシンプルなアレンジのみでここまで生々しく、強烈な感情が伝わるのかと驚かされる。何より歌い手として変幻自在なフィオナ・アップルの素晴らしさが際立っている。

特別に目立った曲、ポップな曲があるというわけではないのだが最後まで飽きさせず、聴くほどに味わい深いアルバムとなっている。中盤以降に登場するジャズのようなドラムも良い。長いキャリアの中でも印象的な作品となった。

4. Carrie & Lowell/ Sufjan Stevens(2015)
最初に聴いたとき、ほぼ弾き語りのフォークソングで、ここまでオリジナリティーのある美しいアルバムを作り上げること自体が奇跡のようだと思った。統合失調症を患っていた母の死を巡って書かれたこの作品は、痛みと悲しみを伝えると同時に、穏やかで静謐な空気感に包まれている。

「あなたは十分な愛を手に入れたの?/どうして泣くの?あなたを置き去りにしてごめんなさい/でもこれが一番だから/正しいと思えたことはないけれど」(Fourth of July)
「泣くべきなのかな?見るもの全てがなぜかあなたに戻っていく/悲しむべきなのかな?感じるもの全てがなぜかあなたに戻っていく/あなたを悲しみから救いたい」(The Only Thing)
「Illinoi」は紛れもなく素晴らしいアルバムだったのだけど、個人的には今作を最高傑作に挙げたい。

3. To Pimp a Butterfly/ Kendrick Lamar(2015)
今作は過去の音楽からの影響を受けているそうで、特にクレジットの豪華さからわかるとおり、ジャズの要素が非常に強く見られる。アルバム制作に参加したサンダーキャット、ジョージ・クリントン、フライング・ロータス、ロバート・グラスパー、テラス・マーティンといった名前が10年代の音楽シーンにもたらした影響は計り知れない。

これだけの才能が集結したなかでなお、ケンドリックのラップの巧みさ、言葉を紡ぐセンスが際立ち、カリスマ的な魅力に溢れている。まさに現代の叙事詩人だ。

シリアスでどちらかと言えば暗い歌詞が多いアルバムだが、終盤に高らかに歌われるのは、”Ilove myself”のフレーズに集約される、これ以上ない自己肯定。アッパーで多幸感に溢れたこの一曲に、アーティストとしての新境地を見た気がする。

2. Modern Vampires of the City/Vampire Weekend(2013)
前作までのアフロビートやエレクトロの要素は薄れ、アメリカのルーツミュージックやクラシックの要素が濃くなっている。ヴィンテージの機材を使用したというサウンドはピアノを中心に、ドラムやアコースティックギターやオルガンなど、あくまでシンプルな構成で、得意とする美しいメロディーと文学的な歌詞を引き立てている。

ボーカルのエズラ・クーニグは以前に「バンドという形体が好き」と語ったが、インディーロックにとって苦難の10年代においてなお、常に進化し続けるバンドとして確固たる立ち位置を獲得している。

モノクロの日常風景に歌詞が流れるこのビデオを見るたびに胸を掴まれてしまう。タイムレスな魅力に溢れた名曲。

1. My Beautiful Dark Twisted Fantasy/Kanye West(2010)
ヒップホップの概念を変えてしまったアルバムであり、この10年を代表するだけでなく、今後も音楽史において語り継がれる名盤。カニエ・ウエストという稀代の天才にしか作りえない作品であり、約10年経った今も、その完成度の高さに驚かされるばかり。

「美しく暗く歪んだ幻想」のタイトルどおり、音楽の混沌から生み出された楽曲群は、これ以上なく芸術的でありながらも猥雑で、繊細なピアノやストリングスの旋律に、ストリートの喧騒を思わせるラップやサンプリング、これらが見事に融合し、まるで啓示のように高らかに鳴り響く。音楽ジャンルのクロスオーバーが台頭する2010年代の幕開けに、これ以上ふさわしい作品もないだろう。


Bon Iverのトラック”Wood”(09)をサンプリングし、ジャスティン・バーノンを迎えて制作したのがこちらの一曲。デヴィット・ボウイはこの曲を「”Runaway”同様、インディーロックのスウィートネスとヒップホップのハードさの共通点を示した、きらめくようなサウンドスケープ」と評している。

【次点】
Teen Dream/Beach House(2010)
Bon Iver, Bon Iver/Bon Iver(2011)
Helplessness Blues/Fleet Foxes(2011)
Random Access Memories/Duft Punk(2013)
Coloring Book/Chance The Rapper(2013)
Currents/Tame Impala(2015)
In Colour/Jamie xx(2015)
Lemonade/Beyonce(2016)
Drunk/Thundercat(2017)
The OOZ/King Krule(2017)

【総評】
ランキングにしてみると、インディーロックかジャズ、またはそのどちらかとクロスオーバーするヒップホップが多いですね。10年代はアメリカに住んでいた期間が数年あったのですが、その頃にヒップホップや、ルーツミュージックなどの黒人音楽にも興味が広がって、リスナーとしての自分にとっては大きな転機だった気がします。

あとは、実際にライブを観たことがあるアーティストが多く入ってます。アルバムだけで評価しようと思っても、どうしてもライブの良さを加味してしまいがちですね…。ちなみにこの中でのライブのベストは、Arcade FireのThe Suburbsの北米ツアーでした。カニエ・ウエストとフィオナ・アップルの来日はずっと待ってるんですが、なかなか叶わない!

音楽配信でCDにお金使わなくなっているので、今後もできるだけライブには足を運ぼうと思います。
長くなりましたが、いつになっても音楽は楽しいですね。20年代も良い出会いがありますように!

(Chia@skintmint)

【Music】2010年代のベストアルバム<ガーリエンヌ編>

今月いっぱいで、ついに「’10年代」が終了。ちょっとした総括にふさわしい時期でもあります。

ということでディケイドのMYベストを振り返る企画をお送りします。まずはガーリエンヌの「2010年代のベストアルバム」をどうぞ。

カニエ・ウエスト、ジャネール・モネイ、ラナ・デル・レイ、ロード…2010年代を彩った名盤たち

10. Wildheart/Miguel(2015)
2012年、Nasのアルバム『Life Is Good』にフィーチャーされていて存在を知り、本人名義の「Adorn」にハマって、それ以来ずっと安定して聴き続けているアーティスト。
『Kaleidoscope Dream』以降のアルバムは甲乙つけがたいけど、「あ、R&Bだけじゃなくて、こんなに音楽の幅が広い人なんだ!」と感心させられた本作をここでは選びました。


プリンスを意識したようなアートワークのとおり、セクシャルで親密、そしてロック要素も強い。2019年10月の初来日公演も素晴らしかった!(今気づいたけど、このビデオに主演している女性、ジジ・ハディットだ)

9. The Hunger Games:Mockingjay,Pt 1/Various Artsits(2014)
ディケイドを代表する映画『ハンガー・ゲーム』が、これまたディケイドを代表するアーティストLordeを監修に据えたサウンドトラック。Ariana Grande、Haim、CHVRCHES、Charli XCX、Tinashe、Pusha T、Major Lazerといった適材適所かつ旬の人材をそろえた素晴らしい仕事です。メンツは華やかだけど、ヒリヒリと一触即発しそうな気配が漂っている。

中でも出色なのがアルバムのリードトラックであるこちら。何かが這い寄ってくるようなサウンドに乗せて、闘いに向かうヒロインの心情が描かれている。Lordeはこういう、ドラマ性のある曲が抜群にうまいですね。

8. Norman Fucking Rockwell/Lana Del Rey(2019)
悲しみをたたえつつ、けっして弱くはない女性像を歌わせたら右に出る者がいない女王。
多作であるというのは、それだけでひとつの能力ですが、2012年に『Born To Die』でデビューしてからなんとすでに5枚目のアルバムです(本人は「わたし、10年に1度しか新譜を出しません」みたいな雰囲気なのに…)。その間、映画のサントラや客演仕事もしているという。

これまでアルバム、曲によってクオリティにバラつきがあったものの、本作は全編通して文句なし、ディケイドの終わりに、ついに決定版が出たなという印象。ただ純粋に褒めながら聴き惚れたいと思います。

7. Banshee/Kendra Morris(2012)
はすっぱでジャジーでブルージー、サイケデリック、そして懐が深い…つまりめちゃくちゃいい女のアルバム。
ヴィンテージ・ソウル風でありながらけっして懐古趣味ではなく、DJプレミアによるリミックス(「Concrete Waves」)が話題を呼んだのも当然と言える。ちなみにジャケット写真の背景は本人の家だそうで、剥製を集めるのが趣味だとか。


デビッド・ボウイ「Space Oddity」、ピンク・フロイド「Shine On You Crazy Diamond」、レディオヘッド「Karma Police」(!)などをカバーしたアルバム『Mockinbird』(2013)も最高なのでぜひ聴いてほしい。
beatink! 日本に呼んでくれ~!

6. 4 Walls/f(x)(2015)
今年起きたさまざまなことを考えると、本作にもつい余計な“意味”を付与しそうになる…けれども、バッキバキにクールで洗練されていて、同時に可憐さやキュートさも成立させている稀有なガールポップアルバム、という以上の説明はたぶん不要。

2016年の日本公演を見られたこと、本当に本当に心の底からよかったと思う。この世に永遠など何ひとつないが、あのとき会場全体で共有した、言葉にできない神聖な感銘を忘れることはきっとない。


それにしても、あまりにも浮世離れして美しいクリスタル様の尊さといったら。
僭越ながらファッションを真似っこした記事【Fashion】Get The Styles Of Krystal-f(x)! なりきりクリスタル もございます。

5. 2 Cool 4 School/A.Y.A(2015)
花園magazineのIt Girl。10代の頃から彼女を知っていたからこそ、本作が完成して嬉しかった。クリスティーナ・アギレラ、ビヨンセ、リアーナといったパワフルな女性アーティストを愛聴してきた素養と、スウィートでセクシー、ロック、そしてとことん真面目な人間性がそのまま昇華されているから。

のちの『Lil Romance』(2019)や『Pulp Fiction 2.0』(2018)に比べるとDIY感が強くて「若いな」と思うけど、実際そのとおりで、22歳の燃える魂がここには詰まっている。

She ain’t Plastic,She’s so Elastic,She won’t stay here,She’ll keep movin on!

アルバムリリース時のインタビュー【Music】A.Y.A『2 Cool 4 School』/”普通”になんて馴染めなくても もぜひご覧ください。

4. I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of It/The 1975(2016)
10年代をかけて、もっとも重要なロックバンドに上り詰めたThe 1975のセカンド。
ピンクで統一されたアートワークに象徴されるように、パッと聴いた印象は80年代の雰囲気があり華やかで軽快。同時に緻密に作り込んであり、インスト曲の配置など、アルバム全体のバランスも絶妙でした(ちょっと長いけど)。

このバンドが奏でる音は若くてフレッシュだけど、実は荒削りな部分がまったくなく、つねに確信犯。それは、自分たちが時代を切り拓いていくことに自覚的なことの証左にほかなりません。

3.Dirty Computer/Janelle Monae(2018)
『The ArchiAndroid』(2010)とどっちにしようか迷った…2枚のアルバムの合わせ技で3位、というわけではなく、それぞれが名盤。『The Electoric Lady』(2013)も大好きだし、そもそもジャネール・モネイという人の存在そのものが本当に素晴らしい。

コンセプチュアルであることに重きを置いていた過去作に比べ、本作で響くのは、より自由奔放に、ナチュラルになった歌声。とはいえ、あらゆるサウンドの垣根の上を、蝶のようにひらりと舞い、かつ蜂のように鋭く刺すスタイルには変わりない。

オリジナリティあふれる音楽、パフォーマンス時のビジュアル、メッセージ性の強い歌詞…高度な次元のエンターテイメントを送り続けるジャネールは、次の10年間も、世界中の人々をインスパイアする存在であることでしょう。

2. Kiss Land/The Weeknd(2013)
華々しい活躍の彼のキャリアでは、あまり語られることのない本作ですが、個人的には群を抜いてしびれる。
本来の持ち味である密室性が、『ブレードランナー』的世界観のもとで妖しく花開いていて、脳内世界の路地裏に迷い込んだような気分に。

UKロックの影響もふんだんに感じさせるリードシングル「Belong To The World」。雷鳴が轟いて始まるこの曲だけで、短篇SF映画のよう。

本人はこのアルバムがそこまで売れなかったことで、ポップ方面に舵を切ったそうなのだけど、私は今後もしつこく聴き続けると思う。

1. My Beautiful Dark Twisted Fantasy/Kanye West(2010)
文句なし、ぶっちぎりの金字塔。プログレッシブ・ヒップホップの最高傑作。私の中では音楽という概念を超えて、コッポラ『地獄の黙示録』や黒澤明『乱』と同じような位置にあります。

リアーナやJay-Z、エルトン・ジョンなどの豪華ゲスト、キング・クリムゾンやエイフェックス・ツインのサンプリング、伝説的詩人ギル・スコット・ヘロンの朗読…豪華というよりも「手に負えない」ほどの情報量なのに、すべてがカニエ・ウエストというフィルターを通し、再構成され、まったく新しい音楽として提示されている。
極彩色の曼荼羅であり、生き延びるためのマントラであり、自身を一度炎に投げ入れることでしか生まれない音楽。どれだけ自分の内面を掘り下げればいいのか、どれだけ世界と対峙すればいいのか想像もつかない。


ピアノの旋律が美しくループするなか、「ベイビー、俺が狂い始めたら、一刻も早く逃げてくれ」と歌う。どうしようもなく愚かで切実な男の姿に胸を締めつけられる。

あっという間の70分間。無我夢中で没入して、終演後の拍手でようやく我に返る。何度体験しても震えるようなカタストロフィー。

【次点】
Katy B『On A Mission』(2011)
Drake『Take Care』(2011)
Daft Punk『Random Access Memories』(2013)
Sky Ferreira『Night Time,My Time』(2013)
LUNA SEA『A WILL』(2013)
Thundercat『Drunk』(2017)

【総評】
女性シンガーソングライターばかり聴いていた00年代に比べて、10年代は性別も人種もごちゃまぜに摂取した印象があります。フジロック、サマーソニックという大型フェスに定期的に参加するようになったこと、CDというフォーマットではなく配信で音源を得るようになったことも大きな変化かな。

自分の人生においても24歳~33歳という10年はかなり濃密でしたが、「常に新しい音楽を聴いていたい」というマインドは変わらず。イヤホンをしていてもしていなくても、常に音楽に依っていたと思います(なのに、自分ではまったく弾けないし歌えないというおもしろさ)。

ひとつ言えるのは、私は音楽にリラックスしたい、癒されたいみたいな気持ちはいっさいなくて、常にぶん殴られたい。「うおおお」って衝撃を受けたい。
次の10年もそういう自分である気がしているけど、変わるなら変わるで楽しみ。どちらにしろ、2029年もまたこうやってお会いできることを祈りつつ。

@girliennes

【Fashion】最適化されたクローゼットを求めて

今年の7月と8月、一着も服を買わなかった。おそらく大学生の頃から数えて初めてのことだ。しかしファッションに対する興味がなくなったわけではなく、むしろ毎日コーディネートを選ぶのが楽しい。

つまり33歳にして、MYワードローブが最適化してきたということだろう。これまで、流行のアイテムをひとまず取り入れてみたり、クローゼットのカラーパレットを埋めなければいけない気がして、もっていない色の服を買う義務感に駆られてきたりしたが、この1~2年は「本当に欲しいもの」を納得して買えるようになった。それは値段の高い安いはあまり関係がなく、安いものは安いもの、高いものは高いものとして、適材適所(私がいちばん好きな四字熟語だ)に揃えることこそが重要だと思う。というわけで、クローゼットのラインナップにはおおむね満足できている。

ここでは、そんなクローゼットを構成するアイテムをご紹介します。

●My Favorite Things

・ジャケット

カーディガンより断然ジャケット派。たぶん体型的にも、直線的なシルエットが似合う。
左から、大きなボタンが印象的なUnited Bambooのジャケットは、25歳ごろにセールで買ったもの。川上未映子先生が『早稲田文学』復刊第1号の表紙で着ていたのとお揃い。
真ん中はランバンオンブルーの薄手ジャケット。これも25歳ごろに買ったのをもう8年くらい着ている。
ゆったりサイズのツイードジャケットは、義理の姉からもらったGU。気負わずに羽織れるので重宝。

・ブラウス

カジュアルすぎる格好だとおしゃれに見えないタイプなので、ブラウスは定番。編集者っぽい格好をするときはまず選ぶ。

こちらの2着は、20代中盤の頃着ていたワンピースをリメイクしたもの。今着るには丈が短め、でも柄が気に入っている場合は、お直し屋さんでカットしてもらうことにしている。
黒い花柄のほうは、ワンピース時代はVネックが表側だったが、ペプラムブラウスにしたら裏返してボートネック風に着たほうがしっくりくるように。洋服は本当に着てみないとわからない。

・赤×紺の組み合わせ

字面だと派手に思えるけど、意外とシックな雰囲気になって大好きな組み合わせ。
秋冬によくはく靴下、東南アジア旅行に大活躍するウエストゴムのパンツ、ガウン風のMURUAのニットコート。

・クラッチ

鞄は平日は毎日同じリュックというほどあまりこだわりがないのだけど、クラッチだけは集めてしまう。
いちばん古いのは右下のGRACE CONTINENTALのビーズクラッチ。10代の頃に買って、振袖に合わせて持ったことも。ドレスアップのときに出番が多いのは、真ん中のシノワズリっぽい雰囲気の紫のクラッチ。
右上のは2018年のブルーノートジャズフェスティバル(結局中止になった)のグッズで、リアン・ラ・ハヴァスのライブに行ったら無料でもらえたんだけど、意外と使える。

・指輪とイヤリング
普段よく使うアクセサリーは、指輪とイヤリング。

こちらはスタメンリングたち。上段が大学生の頃買い揃えたnojess、2段目左はディオール、右はおニューのバーバリー、中央は2本セットの婚約指輪(イスラエルのartemerというブランド)で、下段左はアルティーダウード、中央と右がnichinichi。
ディオールやバーバリーというと高価なイメージがあるけど、ジュエリーではないので意外とお手頃、ふたつとも3万円弱。

スタメンイヤリング。左上の2つはLULA MAE。左右の形が違うのが粋で、結婚式でもつけた。
いちばん大きいスペースにあるのは、伯母の遺品としていただいたシャネルのもの。フェイクパールなのでとても軽く、今つけてもおしゃれです。

ネックレスやブレスレットは、前者はあまり今の気分じゃない、後者は腕時計とかち合ってしまうのがストレスという理由で、普段はあまりつけない。でもそれも、年齢によって変わっていくかも。

●コーディネートの考え方
スタイルが確立されている人を格好いいなと思う反面、自分自身は飽きっぽいので、なにかしら毎日テーマを決めて洋服を選んでいる。
その際に気にするのはこんなこと。

・色(同じような色を連続して着ていないか、プレゼンなので明るい色にしようなど)
・フォーマル度(ずっと社内作業か、社外の人と打ち合わせがあるか、取材ならとくに綺麗めにしようなど)
・仕事後の予定(女友達とおしゃれな店に行くから新しい服をおろそう、焼肉屋に行くから洗いやすい格好にしようなど)
・天候
・そのときハマっていること(直前に見た映画やライブにすぐ影響される)

たとえば1日中デスクワークの日であれば、袖をまくりやすいトップス+ウエストゴムのワイドパンツ。取材後に直帰で外食なら、きれいめなワンピース+ぺたんこ靴など。

ツイッターではときどき「実録1週間コーデ」として、コーディネートを公開しています。

・2019年夏編

・2019年秋編

1週間単位で振り返ると、そのシーズンのワードローブで便利だと思っているもの、たりないものが見えてきて面白い。秋編をつくって、黒以外のローファーやスリッポンが必要だなと思ったので、いま探しているところ。

●失敗したときは
とはいえ、まだ失敗することも。ブランド名+オフ率に惹かれて飛びついたり、試着せずにえいやっと買ったりすると、あとで後悔することが多々ある。

そういうときは、返品できるならする、できないならメルカリなどで転売するなど、なるべく早く手放すようにしている。損したなぁと思うものをいつまでも置いておくほうが精神的にストレスなので。経験上、手放したら意外とすぐに忘れるものだ。

あと、ポケットがないボトム、アイロンがけが必須の服も、よほどデザインが気に入ってなければ手を出さないようにしている。

しかし、そもそも絶対に失敗しない買い物など有り得ないし、それも含めてファッションを楽しめたらいいなと思う。

なにより大事にしたいのは、こうありたい自分を表現する格好をしたいということ。楽観的でふざけてて、ときどきトゥーマッチ。さらにその日の気分で華やかに装ったり、逆にラフにしたり。
気に入った格好をしている日の私は機嫌がいい、きっとそういうことだろう。

@girliennes

【セレブリティ】キャプテン・マーベル ブリー・ラーソンが手にした“C”

マーベル・シネマティック・ユニバースの映画としては初となる、女性単独主演映画として話題を呼んだ『キャプテン・マーベル』。
5月に公開されるMCUシリーズの重要作となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』にも満を持して出演するスーパーヒーロー(ヒロイン)である彼女。演じるのはオスカー女優のブリー・ラーソンです。

しかしこれだけの超大作の主演女優でありながら、「ブリー・ラーソンって誰?」「どこから出てきた人?」と思われる方もまだ多いのではないでしょうか。
『ルーム』でアカデミー主演女優賞を獲るまでは現地でも無名に近かった彼女ですが、じつは10代の頃「アヴリル・ラヴィーン風のガール・ロックを歌うも、まったく売れなかった」歌手時代があったことを知っている人はさらに少ないはず。

アルバム『Finally Out Of P.E.』


黒歴史? いいえ、とんでもない。当時の音楽活動にこそ、大スターとなった今もブリーがもち続けるインディー精神、反抗心、内省のルーツを見て取れるのです。

ここでは主にブリーの10代の音楽活動を振り返りながら、彼女がキャプテン・マーベルにふさわしい理由を考察していきましょう。

キャプテン・マーベルに主演するブリー・ラーソン。世間になじめなかった少女時代

ブリー・ラーソンは1989年10月1日生まれ、アメリカ・カリフォルニア出身。6歳にして女優になることを目指し、演技のスクールに通っていたそう。
2001年から放送されたドラマ『Raising Dad』のエミリー役で初のメインキャストを勝ち取りますが、1シーズンで打ちきりに。その後もアレクサ・ヴェガやサラ・パクストンといった若手女優らが共演した『Sleepover』や、ジェニファー・ガーナー主演のロマンティックコメディ『13ラブズ30』(名作!)に端役で出演したりするものの、パッとする活躍はできませんでした。

当時のことをブリーはこう語っています。
「私はわかりやすいタイプじゃなかったから、女優として不利でした。人気者の女の子役を演じるほどかわいくないし、内気な女の子役を演じるほどおとなしくもなくて、オーディションを受けてもハマる役がまったくなかった」

そんな彼女にチャンスが訪れます。女優業の一方、11歳からギターを弾き始め、自作曲をサイトにアップしたりしていたブリー。映画『ピーター・パン』のウェンディ役のオーディションに落ちたとき、その失意をもとに「Invisible Girl」という曲を作曲したところ、地元の有力ラジオ局であるKIIS-FMのエアプレイを獲得。
それがきっかけでマライア・キャリーの元夫である大物プロデューサー トミー・モトーラ率いるカサブランカ・レコーズとの契約を手にすることになりました(ちなみにレーベル・メイトは当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったリンジー・ローハン)。


2005年、16歳でデビューアルバム『Finally Out Of P.E.』をリリース。
時流にのったキャッチーなポップ・ロックに、キュートでなめらかなボーカルが組み合わさった内容で、ガールロック人気が高かった日本でも一部で話題になりました(筆者自身も購入したひとりです)。
とはいえ音楽面ではこれといった特徴はなく、本人が当時フェイバリットにあげていたMaroon 5、Gwen Stefani、The Clash、Kanye Westあたりの影響などもほとんど感じられません。パッと聴いただけでは、ブリーが言うところの「わかりやすいタイプ」の音楽です。

『Finally Out Of P.E.』の真髄は、その世界観。学校や世間になじめず、オーディションにも受からない、そんなイケてない10代の女の子の気持ちが、赤裸々に描かれていること。
「ほかの若いポップスターにない、あなた独自の持ち味とは?」という質問にも、当時ブリーはこのように答えています。

「たぶん、ほかの人が歌っていない内容の曲を書いていることだと思います。私のレパートリーにはラブソングがあまりないんですが、本当に恋愛経験が少ないから。私はただ、自分が自分の人生を生き抜いているということを歌詞にしているんです」


シングルとなった「She Said」は、本人が書いてこそいませんが、「今はクソみたいな人生だけど、いつか語るべきストーリーを手に入れてやる」というポジティブなメッセージが込められた曲。


ミュージックビデオでは、ハンバーガーショップでの冴えないアルバイトにうんざりしているブリーが、嫌なお客にいたずらしたり、バックヤードでギターをかき鳴らしたりするというドラマ仕立ての内容で、演技力をいかんなく発揮。最後に見せる表情はさすがです。

ほか、「Loser In Me」「Ugly」など、タイトルを見ただけでも思春期のやるせなさを感じさせるようなものばかり。
上述の、オーディションに落ちた経験を描いた「Invisible Girl」では

I’m not no J-lo or Miss Spears(私はジェニファー・ロペスでもブリトニー・スピアーズでもない)
I’m just a girl who disappears(ただの目に映らない女の子)

と、実在のスターたちの名前を歌詞に盛りこんだりもしています(韻も踏んでる!)。

なかでも特筆すべきは、アルバム名にもなっている「Finally Out Of P.E.」。
「体育の授業からついに卒業」というユニークなタイトルは、体育教師に嫌われていて、居心地の悪い思いをしていた自身の経験からきたものだそう。

I, I play guitar(私はギターを弾ける)
But in your class(でも先生あなたの授業では)
That won’t get me far(そんなの全然意味がない)
Please, give me a “C”(お願い、C評価をください)
So that I can be(そうしたらやっと)
Finally out of P.E(体育の授業から卒業できる)

しかしこのアルバムはレーベルのプロモーション不足などもあり、セールス的には惨敗。音楽SNS・Myspaceなどで細々と活動を続けるも、2010年にはMyspaceにて、ファンに向けてはっきりと音楽業界への失望を伝えています。

「ずっと作曲してきたし、ずっと演奏してきたけど、そういったことに幻滅している自分に気づいた。ユニバーサル(カサブランカレコーズの親会社)に所属していることで、素晴らしい機会や出会いに恵まれた。そのひとつが、最高のファンのみんなたち。だけど私自身が楽しめなくなってしまった。私は全部自分で曲を書きたかったのに、会社はそれを恐れていた。私はスニーカーをはいて自分のギターを弾きたかったのに、会社は私には『ヒールをはいた、風になびく茶髪の女の子』でいてほしがった」

女優業も引き続きパッとせず、また長い下積み時代を送ることになったブリー。
とはいえ音楽への情熱が消えたわけではなく、女優として稼げなかった時期は、むしろDJが本業という時代も。

出世作『ショート・ターム』の撮影中ですら、生活費のため、週末にはDJの仕事をしていたとか。
お気に入りはビートルズのレアな外国語カバーや、イエイエガールズ、ソウル。アナログ盤しかかけないというこだわりの持ち主だったよう。


また、エドガー・ライト監督のコメディ映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(2010)にも、歌手役として出演。歌も披露しています。

その後、ドラマ『ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ』や映画『21ジャンプストリート』などで徐々に頭角を現し、『ショート・ターム』でのケアマネージャーの演技で絶賛を受けブレイク。そして2016年には、『ルーム』でオスカーに輝いたのです。

今回、アクション超大作である『キャプテン・マーベル』の主役を演じるにあたり、9か月以上にわたって徹底的にトレーニングを積むことに。大部分のスタントも自分でこなしました。

メイキング映像では、ダンベルを持ち上げたり、ウエイトを身体に巻きつけて腕立て伏せをする姿が見てとれます。
「目的は、役を深く理解すること。キャラクターの骨組みからつくり上げたいと思ったんです」とインタビューで語っているブリー。「体育の授業からどうか卒業させて」と訴えていた時代を思うと、感慨深いものがあります。


その成果は、この凛々しすぎる背中を見れば明らか。

けしてゴージャスな美貌や抜群のスタイルをもつわけではないブリーが、キャプテン・マーベルを演じること。それ自体に、とても大きな意味があったのではないでしょうか。

そんなブリーは女優業以外にも熱心です。4月5日からNetflixで配信開始した『ユニコーン・ストア』で初めて長編映画を監督。
またフェミニストを公言し、日ごろから性暴力被害者への支援活動にも取り組んでいるほか、次の目標について「映画業界における、さまざまな職業について学ぶことができる職業訓練学校をつくること」と表明して話題を呼んでいます。

地位におぼれることなく日々鍛錬し、手に入れた大きな力を、世の中がよくなるために使う。そんな姿はまさに等身大のスーパーヒーローであり、人を導く真の強さがあります。

ブリーの才能を信じてくれなかったという体育教師も、もう認めざるをえないでしょう。彼女が背負う“C”の称号――Captainの称号は、与えられたものではなく、自ら勝ち取ったものなのです。

@girliennes

参考:
http://www.vulture.com/2015/11/remember-that-brie-larson-was-a-pop-star.html
http://people.com/awards/inside-oscar-winner-brie-larsons-pop-star-past/
https://www.kidzworld.com/article/5424-brie-larson-interview
https://www.rollingstone.com/music/music-news/flashback-listen-to-oscar-winner-brie-larsons-pop-star-past-238543/
https://www.instagram.com/p/BSUmmFzjXrK/