【Movie】等身大ヒロインと大人の痛みの帰還 ――『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』

こんにちは、L@eryeryerynaです。

すっかり秋も深まり、1年も終わりに近づいていることに絶望を覚える今日この頃……。

今年スクリーンに帰ってきた大物と言えばやはり『シン・ゴジラ』のゴジラが記憶に新しいですが、この秋、英国が生んだあの伝説的ヒロインも劇場に帰還しますね。

太めで補正下着が欠かせず、酒びたりでヘビースモーカー、相当なドジ、そしてシングル。特別若くも、特別きれいでも、特別賢いわけでもないけれど前向きで、みすぼらしささえもチャーミングに変換させてしまう主人公……その名もブリジット・ジョーンズ!

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来る10/29(土)に公開されるのは、『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)、『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(2005)に続くシリーズ3作目で、11年ぶりの新作となる『ブリジットジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』。

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三部作の集大成となるこの作品を一足早く鑑賞してきたのですが、前作・前々作同様にロマンスはたっぷり、そして大人の女にまつわるリアルな問題が見え隠れするビターさは増し増しで帰ってきていました。

シリーズ1作目冒頭、レニー・ゼルウィガー演じるブリジットが新年をひとりで迎え、お酒を片手にパジャマ姿で「オールバイマイセルフ」を熱唱するシーンはあまりに有名。

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「今年こそ断酒してダイエットして、そして恋人を見つける!」と新年の誓いを日記に書き込む、共感しかない物語のスタートからはや15年……。ノートブックからiPadへと姿を変え、本作でも彼女は思いの丈を日記にぶつけることになります。

これまでに彼女とロマンスを繰り広げてきたのは、コリン・ファース演じる仏頂面カタブツ弁護士のマーク・ダーシーと、ヒュー・グラント演じるお色気チャラ男上司ダニエル・クリーヴァー。

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マーク大先生の恋愛名言の数々や、色男ダニエルの器用な女たらしっぷりにうっとりできる、「けんかをやめて、二人をとめて」な竹内まりや的三角関係(贅沢すぎる!)もシリーズの大きな魅力でした。

前作の『きれそうな私の12か月』で晴れてマークと「めでたしめでたし」のその先の「ハッピーエンド」を迎えたはずのブリジット。ところがどっこい、『ダメな私の最後のモテ期』の予告やチラシでマークが「元カレ」と表記されていることに、出川哲郎ばりの「WHY?」が出た人も少なくないのでは? 本作は、1作目の『ブリジット・ジョーンズの日記』から10年経った設定。ブリジットも32才から43才になり、30代から40代へと年齢を重ねる中で彼女を取り巻く環境は大幅に変化しています。

残念ながら我々が期待したようなハッピーエンドは維持されず、運命の人と結ばれたかと思われたブリジットは彼氏なしのシングルに逆戻り。再び「大人のひとりぼっち」と向き合うはめになっていたのでした。その結果、パジャマ姿で43歳のバースデーを1人さびしく迎えるデジャヴのようなブリジットの姿から始まるのが本作。

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恋人がいないのはともかくとして、彼女の誕生日にかけつけないとは、あの3人のやさぐれ系親友たちは一体どうしたのか?

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もちろん、友情は途切れず続いており、信頼関係で結ばれている様子もあの頃のまま。ブリジット以外の3人は結婚して子どもを持ったことで生活も物事の優先順位も変わり、以前のような付き合い方はできなくなっていたのでした。

こういう少し寂しい人間関係の変化、リアルに味わっている方も多いのでは? 健やかなるときも病めるときも連れ添ってきた友だちがいても(そして決してその大切さは変わっていなくても)、例えば結婚や出産という人生の大きなイベントを通して環境が変わってしまえば、ずっと一緒に人生の大事な局面をカバーしていくことは厳しい。悲しいことに、孤独は愉快な親友たちがいても避けられないんですよね。

1作目と本作の監督であるシャロン・マグワイアは、『ブリジット・ジョーンズの日記』がヒットした理由について「孤独が万国共通の恐怖で、誰もが一人ぼっちを恐れており、単なるコメディではなくブリジットの孤独への恐怖が描かれた部分に多くの女性が共感したから」と語っています。

三部作の最終章である本作は、シリーズを通して隣り合わせにあった孤独とのファイナルマッチで、「ひとりぼっち」を本質的な意味で脱却するための物語になっていると思います。(その脱却の仕方については個人的には少し残念に思うところもあるのですが……。)

旧友たちとの付き合い方が変わった今、ブリジットを慰めるのは30代でシングルの同僚たちとの気の置けない会話。実は前作からは職場にも変化があり、テレビ番組のリポーターとして人気を博していたブリジットですが、なんと本作ではニュース番組のプロデューサーに出世しています!

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大胆すぎるドジ癖こそ健在ですが、エルニーニョ現象も知らなかったあのブリジットが、政治問題について的確な取材指示を出す立派な姿にはびっくり…。ドジを踏もうがバカにされようが、続けて仕事と向き合ってきたのであろうこの10年という歳月は彼女を裏切らなかったということか、と勝手に少し胸が熱くなったりして。

それでも『SEX AND THE CITY』のキャリーやサマンサのように、イケイケの働くアラフォーとして憧れられる立場にならせてもらえないのがブリジット・ジョーンズ。年下の女が新しいボスとして現われ、ブリジットたちの作る番組を退屈だと一蹴。歳を重ねたことでようやくキャリアを掴んだのに、今度はフレッシュな感性を求められ「古臭い」と言い放たれる理不尽さの中で奮闘します。

ブリジットがプロデューサーを務める番組のキャスターであるミランダは、彼女のよき理解者。おカタい常識には縛られない奔放な性格で、放送中も音声が入らない瞬間をねらって、「このあいだ3Pした男は」などと性生活をオープンに語ってしまう大胆さが気持ちいいキャラクターです。

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そしてそのミランダにけしかけられたことをきっかけに、恋愛もご無沙汰だったブリジットは再び「けんかをやめて」な羨ましすぎる三角関係に取り込まれることに。

今回その三角関係にはおヒュー様(ダニエル)はある理由で参戦ならず……。代わりに出演しているのが、ドラマ『グレイズ・アナトミー』でもおなじみのパトリック・デンプシーです。

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パトリック・デンプシーと言えば、親友ラブコメの超名作『近距離恋愛』ではダニエルさながらの遊び人、『魔法にかけられて』ではマークさながらのカタブツ弁護士を演じて観客をもだえさせてきたときめき演技の匠。「ダニエルが出ないブリジット・ジョーンズの日記なんて!」というファンの不満を見事におさえる、ラブコメ好きにはたまらない文句なしの人選に拍手を送りたい!

彼が演じるのは、リッチでイケメン、しかも性格もよしという絶滅危惧種に登録すべき非の打ち所のない実業家・ジャック。ダニエルのような器用さやユーモアは持ち合わせながら意外にも硬派、そして何より今どきでロマンティックな行動力が魅力的です。私がこの作品の中で一番うっとりしたのはクライマックスでもなく、マークがらみのシーンでもなく、彼が中盤でくりだした反則テクニックでした。他の映画であれば、クライマックスでも使えただろうズルい名シーンなので、ラブコメ好きは請うご期待!

とはいえ、もちろん歳を重ねたマーク・ダーシーも変わらず素敵……。(巧みに愛を語るマーク節も健在!)前作までのマークvsダニエルとはまた違った「取られ合い」を楽しむことができます。

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そして、ブリジットのあの悩みごとにも変化が。太めの体重を気にしていた彼女ですが、なんとデカパン不要の理想の体重とスリムな体型を手に入れています。(彼女の魅力とはむっちりした体であり、私たちを勇気付ける体重ではなかったのか? と思うと少し寂しいですが……。)

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しかしながら、理想の体型をgetした代わりにハリと血色を失ったブリジットは、シワが目立って43歳という設定年齢よりも老けて見える上、レニーのお顔なおしもあって顔認証エラーが出そうな変わりっぷり。そんな彼女の風貌にショックを受けたのも事実です。

シリーズを通して、マークはブリジットに「ありのままの君が好きだ」「君が太めでもヒステリーでも大切にするよ」と、彼女の不完全さもひっくるめて受け入れるというメッセージを送り続けていました。そして私たちも彼女の不完全でダメな部分が好きだったはず。本作が始まってすぐつきつけられたのは、今現在の「ありのままのブリジット」をはたして愛せるのか? という課題でした。

『ブリジット・ジョーンズの日記』は、自分と他者の不完全さを許し、認めていく物語だったように思います。また、スクリーンの中の不完全な彼女を愛することで、私たちは自分自身の抱える不完全さ(彼女と同じく太めだとかシングルだとか、あるいは仕事ができないとか)を許せたこともあったかもしれません。整形はともかく加齢による変化もまた私たちにとっても無関係なものではなく、遅かれ早かれ受け入れていかなくてはならない問題。製作側としては全く意図していないところでしょうが、予想外なブリジットの老けっぷりから、彼女の(そして自分の)「変化も込みのありのまま」を受け入れることについて改めて考えさせられたのでした……。

レニーは「生きていく中で思い描いていたのとは違う場所にたどりついてしまうことがある。ブリジットの物語のこの章が描くのは“思い描いていた人生VS自分自身の今の姿”なの」と語っています。40代の仕事、恋愛、友情といったテーマにシングルの孤独、出産へのタイムリミットなどへの不安や恐怖を内包させながら、大笑いできるコメディに仕立てられた『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』。いつか理想とは違う人生にたどり着いてしまったとき、やはりそれを許し、認め、喜劇へと転換する目線をくれる、大人のための愛すべき作品でした。

(@eryeryeryna)

公式サイト:http://bridget-jones.jp/

 

【Fashion】マイ・ヴィンテージになる服を探して

こんにちは、Chiaです。残暑も和らぎ、涼しさが訪れた今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。この時期には「ファッションが楽しい」という声をよく聞きますが、私も衣替えと断捨離を終えて、コーディネートについてあれこれ思案する今がとても楽しいです。2017年の春夏コレクションをチェックするのも、また一興。ファッションという芸術は、やはり秋にぴったりだと思わされます。
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衣替えと断捨離を終えたと書きましたが、今回の本題はまさしく「ワードローブにどの洋服を残したのか」について。もともとアパレルに勤務していたこともあり、購入した洋服の総計を考えると気が遠くなりますが、30代に入り、自然と数が減っていきました。というよりも、減らしていかざるをえませんでした。クローゼットの収納には限りがありますし、経年劣化で着られなくなった服もあります。しかし、そういった理由以外で見限られる洋服の多いことに、私を含めて、心を痛める方が多いのではないでしょうか。流行でない、似合わない、着る機会がないといった理由です。色んな言い換えが可能ですが、おそらく、その洋服たちが必要でない理由は「ときめかない」の一言に尽きます。

雑誌などをみると、洋服を処分する時には「◯年以上着ていなかったら」「◯着以上になったら」といった細かいルールを設けている場合もあります。私の場合は、もっと大雑把に「その服に対して、前向きな気持ちを持てなくなったら」と考えています。「なんとなく似合わないな」「どうして買ったんだろう」「流行が過ぎて、着たくない」などの気持ちは、すべて後ろ向きです。その洋服を見るたびに、そんな考えが頭に浮かぶのでは、もはや所有する理由が見当たりません。逆に、「自分に似合う気がする」「本当に買ってよかった」「流行は過ぎたけど、まだ着たい」と思える洋服を残していくことは、年月が経つにつれて自分らしいクローゼットが出来上がるようで嬉しいものです。

前置きが長くなりましたが、ここでマイ・ヴィンテージとも呼べるいくつかのアイテムを紹介したいと思います。めまぐるしく変化する流行にも、自分の気まぐれにも動じないタフな洋服です。どれも5~10年ほど以前に買ったものなので、ヴィンテージというにはかなり新しいのですが、今後もクローゼットに残るであろう期待をこめて、そう呼びたいと思います。ファストファッションが台頭する現在の状況から考えると、よくぞ生き残ってくれたなあと感慨もひとしおです。

・J&M Davidsonのコートjmdavidson
今回紹介する中でも一番の古株です。毎年大事に着てクリーニングに出す、を繰り返して約10年になりました。
Aライン+オフホワイトのコートなので、ともすれば幼い印象になってしまいがちですが、襟や身ごろの切り替え、ポケットの形などが一風変わっていて、どこか未来的な雰囲気があるのが気に入っています。細身のパンツとよく合わせています。仕立ての良いコートは長く使えるということを教えてくれた一着でもあります。

・boy. by band of outsidersのジャケットbandofoutsiders
メランジグレーもツイードも好きなので、見るたびに嬉しくなるジャケットです。テーラード技術とトムボーイなスタイルが得意な、band of outsidersらしい一着だと思います。ちょっと大きめのブレザーを羽織るという着こなしがしたくて、普段よりワンサイズ大き目を買いました。今年はロングワンピースと合わせたい。
ちなみにデザイナーのスコット・スタンベルグは、ハリウッドの映画業界出身という異色の経歴の持ち主。映画『her』にも衣装提供をしていました。しばらくブランドを休止していましたが、2017SSコレクションにて再始動し、今後の動向にも注目しています。

・エリン フェザーストンのブラウスelin
ブラウスはとても繊細なアイテムだと思いますが、こちらは表地と裏地がシルク100%なので、特に扱いに気をつけています。
透け感のある袖が特徴ですが、身ごろはなんの飾りもなく、合わせるボトムスによって印象が変わります。どことなく70sのような、ボヘミアンな雰囲気があるのが気に入っています。
今年でしたら、ワイドパンツやサロペットと合わせるのが良さそうです。

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わかりづらいのですが、ブロックチェックにレースがかかったような柄です。
柄物のマフラーは合わせるのが難しかったり、飽きてしまいがちですが、こちらはどの洋服にも馴染みが良く、重宝しています。
一見地味なのですが、切りっぱなしの端も小技が効いていて、気に入っているポイントです。

・オープニングセレモニー×ロダルテのスカートopningceremony
不思議なスカートだと思って、気になって購入してから早数年。紹介したアイテムの中では異色ですが、着る機会があまりなく、正直に言うと持て余していた一着です。でも、好きなので処分できなかったのです。
そして2016年秋冬。シワ加工、光沢、ダスティピンクの色合い、プリーツと今年らしい要素が多いので、ざっくりしたニットとタイツに合わせてたくさん着たいと思います。欲をいえば、もう少し長めの丈だったら良かったのですが。

・No.6のワンピースno6
花柄のワンピースにはいくつになっても惹かれますが、残念ながら似合わなくなったために手放したものも多いです。こちらは6年前に購入したのですが、その時はラップ型にベルトがついたデザインを大人っぽいと思っていました。今となっては、デザインがしっくりくるようになって良かったなと思います。
デッドストックの生地を使っているとのことで、レトロな雰囲気をそのままに、トレンチコートに合わせることが多いです。柄物は気に入ったものがなかなか見つからないので、なおさら愛着がわきます。

こうしてみると、実用性の高い洋服は摩耗しやすいので、着る機会が限られるお出かけ着が残った印象があります。また、買った時点で流行っていたとは思えないデザインが多いのも、面白いなと思います。不思議なもので、買った当時にはわからなかった自分の好みがはっきりすることもあります。(ちなみに私はデザインでいうと、ほどよくトラディショナルなものが好きです。)
「これから何を着たいのだろう」と手持ちの洋服と向き合うことで、過去と現在と未来の自分の姿を描く作業は、感傷的なものであると同時に、前向きなものだと信じています。そして、これからどのような洋服が自分に寄り添ってくれるのかが楽しみです。ビル・カニンガムが言うように、今日も私たちは洋服とともに、日々を生き抜いていくのですから。(”Fashion is the armor tosurvive the reality of everyday life.” -Bill Cunningham New York)
(Chia@skintmint)

【Beauty】it Ladyになりたいあなたに/OPERAの新作リップ

こんにちは、ガーリエンヌです。
突然ですが、お手頃価格&良質なコスメブランドOPERAをご存知でしょうか?
大ヒットマスカラ「塗るつけまつげ」のデジャブと同じく、イミュという会社が展開しており、実は1917年に日本で初めてスティック状口紅を開発したブランドでもあります。
そのOPERAが、この秋にリニューアル。ブランドコンセプトは「it Lady」。“現代を生きる魅力的な女性の気持ちに応える”という決意が込められているそう。
今回のリニューアルの象徴となる2つのリップシリーズの発表会にお邪魔してきました。
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ピンクをテーマに飾られた明るい会場は、とてもキュート&シック。
なんと、ケータリングフードもピンク! サンドイッチ、サラダ、マリネ、フルーツ、デザート、ドリンク(コーディアルの炭酸割)とピンク尽くしのメニューは、目にも舌にも美味しく、プレゼンテーションへの期待が高まりました。

今回リニューアル&新発売となるのは、「シアーリップカラーN」「リップティント」です。
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2つのリップに共通するのは、あえて未完成に仕上げたり、ラフな感じを最初から出したり、いかにもメイクした感じにならないように、透明感のある「ちょうどいいバランス」を実現すること。
「口紅はヌケ感が出しにくい」「老けた印象になりそう」と敬遠している方も多いのではと思いますが、OPERAのリップは口紅とグロスの中間くらいで、色と輝きがちょうどよく、イマっぽいなと感じました。
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カラーグロスを固めた独自処方の「シアーリップカラーN」は全10色、リップケアオイルをベースにしたルージュ「リップティント」は全6色を展開。バラエティ豊かなカラー展開は、どれを選んでいいか迷ってしまうほどです。
配られたプレスシートには、それぞれの色にキャッチコピーがついていて、それがとても素敵!
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たとえば「シアーリップカラーN」23番(サーモンピンク)は「romantic time(恋愛の最中)」、25番(コーラルオレンジ)は「sunrise kiss(朝焼けのキス)」、204番(ピュアコーラル)は「ericurean(快楽主義)」……というふうに、女性の気分やシーンに合わせた、おしゃれなコピーが印象的でした。
これらのコピーも、普段の自分では選ばないけど、意外に似合う色に出会える一助になるかもしれません。

質感としては、「シアーリップカラーN」のほうが透明感が強く、「リップティント」のほうがしっかり色づく印象です。とはいえどちらも「ほどよい色づき」に変わりなく、前者には美容液成分が、後者にはオイルが配合されていて、リップクリームなしでも平気なほど、するすると塗りやすいのが魅力。
どちらもコンパクトで、化粧ポーチの中で場所を取らないのも○です。
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個人的なお気に入りは「リップティント」03番アプリコット。チャーミングで軽やか、明るい色味が普段使いにぴったりです。「シアーリップカラーN」の24番ニュアンスピンクも、グレー系のメイクや洋服に合わせたい、少し青みがかったクールなピンクで気に入っています。

ラフだけど女っぽい雰囲気、メイクと美容が両立できること、その日の気分に合わせたカラーバリエ、手軽に試せるプチプラ価格……ちりばめられた要素に、現代的な「it Lady」らしさを感じます。
「シアーリップカラーN」(全10色・1200円)は現在発売中、「リップティント」(全6色・1500円)は10月14日(金)から、全国で展開されます。
詳細は公式サイトへ。
(@girliennes)

【Book】知らないはずの、知っていること/『夜の姉妹団』『明日は遠すぎて』

こんばんは、@vertigonoteです。先日の花園会パーティに遊びにきてくださった皆さん、はじめましての方もおなじみの方も本当にありがとうございました。インターネットの人たちがテーマを決めてみんなでちょっとおめかししてお喋りする会、定期的に今後も開催してまいりますので、どうぞお気軽にお声かけくださいませ。

さて、その花園会パーティでおしゃれのテーマにしたのが「夜空の姉妹団」。何かひとつ「夜空」を連想されるアイテムを、ということから星の柄物やブルーやブラック、光物アイテムなどを身に着けた女子集団の集合はなかなか見た目にも壮観だったのですが、このイベント名の元ネタはもちろんスティーヴン・ミルハウザーの短編「夜の姉妹団」。今度グッチーズ・フリー・スクールさんで今作を映画化した『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』作品の日本初上映も決まっているので楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?

夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇今作が収録されているのは外文読みの皆さんの間で名アンソロジーと名高い『夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇』(柴田元幸訳・編)。わたしも友人に勧められて最近初めて読んだのですが、説明のしにくい味(でも何か懐かしい気もする)しか入ってないお菓子の箱みたいな短篇集で、とても楽しい読書体験でした。

お気に入りを3作あげるなら、やはり表題作のスティーヴン・ミルハウザー「夜の姉妹団」。
「存在を他言しない」「誰が一員なのか、何をしているのかは完全に部外者には秘密」という女子学生たちの夜中の謎の集会が明らかになったことで、一体何をしているのか、と街の人たちの間を駆け巡った噂がコミュニティをパニック状態に陥れるのですが、どんなに波紋が広がっても少女たちは「秘密」を守り続ける。何も言わずに、ただ抜け出して、夜に集まり続ける。わかろうとするひとたち、覗こうとするひとたち。わからないままにしておけない人たちから「わからなさ」を守ることで守ろうとされているものが何なのか、ここでは全く言語化されません。そもそも女の子たちが明確に目的が何なのかも認識してないままにそうしているように見える。無意識に広がっていく靄のような、言語化されない曖昧さ、でも必ず存在している「それ」。「それ」を知りたいという願望の暴力性/知っているという傲慢に気づかない者には決してわからない「それ」。寓話めいた話なのですが、排斥されるほどに強化される「それ」について、私も確かに知っている……と思える物語。

mazel収録作のなかで私が一番好きだったのはレベッカ・ゴールドスタインの『シャボン玉の幾何学と叶わぬ恋』。“知の得意分野”が全く違うユダヤ系ファミリーの祖母・母・娘の三代のスケッチである今作では、「わかりあえないけど仲はいいし、なんのかのとつながっている、でも心の内側のささくれは知らない」という温度と湿度が絶妙な一編。母娘それぞれが互いの分野「?」を抱えた不完全な同性の家族、3人とも「収まりきらない」タイプの娘だった3人が、互いに向けあう「愛」だけでもない、どうにも複雑な感情。そこからそれぞれの心にしまわれた「恋」から浮き上がってくるのがとても好みでした。祖母サーシャの代は情熱で因習を破ることに費やしてきた、そのサーシャからするとまじめすぎる地味な演劇・文学畑の娘クローイ、彼女からすると不思議で仕方ないシャボン玉を研究する数理的思考の娘フィービー。それぞれ知らぬ想いがファミリー・ヒストリーの中には眠っていて、わずかなセンチメントがシャボン玉のように虹色に光る瞬間が克明に捉えられるとき、1ミリも自分と重ならない人たちの話が「記憶のどこかにあったかのように思える」瞬間がありました。残念ながらこの作品を原型にした長編小説“Mazel”はじめ他の作品は未邦訳のようなのですが、邦訳される日がきたらぜひ読んでみたいと思います。

もう1作を選ぶなら奇妙で哀しいジェームズ・パーディ 『いつかそのうち』。かつての家主でありただ一人自分を愛してくれた男を探すために、ポルノ映画館に入り浸る刑務所帰りの男が語る奇妙な話です。届かないものを希い届いたかと思うと遠のくということを「名前」を通じて象徴的に描いていて、惨めなんだけど不思議な高揚感と「これでいいのだ」感があって、なんだかとてもせつなくて、そして可笑しくて痛ましくて、どうしようもない。この「どうしようもなさ」というのは私がフィクションにおいてとても好きなもののひとつですし、この感情が描かれている場面に出会うときキャラクターを急に近しく感じるのです。(我ながら暗い)

こうしてみるとやっぱり私はこうした小説の中の「知らないはず/自分の人生ではおそらくありえないはず」の物語に「知っているけど、忘れていた」自分の感情が呼び起こされ、描かれる世界と共振する瞬間に胸を打たれているのだと思います。そういえば今年いちばん大泣きした短篇集、アディーチェ『明日は遠すぎて』はまさにそういう作品でした。まあ私の場合We Should All be Feministsでも知られる大好きな作家、ナイジェリア出身のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの小説を読んで泣かなかったためしがないのですが。

adichie_chimamanda_download_2これほどに彼女の小説に心を引き絞られるのは、私の場合、ページの間から聞こえる「遠く離れた場所で全く異なる信仰や異なる世界観や異なる時代の中で生きている、一見私と共通項なんてなさげな彼や彼女たち」の声が、完全に私が知っている居心地の悪さや寂しさといった感情、できれば忘れたいと思っている感情とどうしようもなく共鳴してしまうから、なのでしょう。煮詰まった人たちの怒りに近い熱量を持った寂しさ、わたしが望んだのはこれじゃなかったのにというままならなさへの慢性的な心の痛み、それでも喪われることがない前を向こうとする意地。「知らないはずの、知っていること」がいつもこれ以上ないほどに明瞭に語られている――それが私がアディーチェの小説を読むときにいつも感じることです。

明日は遠すぎて今作には対になるように思える短篇がいくつか収録されていて、何度もハッとする瞬間がありました。「鳥の歌」ではたくましくビジネスシーンを駆け抜けるラゴス・ガールの「現代性」がある種の裕福な男の人たちの愛人というかたちで搾取され、別のタイプの女性から憎悪を受けることもわかっているのに別れることができない彼女たちの現実が描かれます。では何故彼らが彼女たちを愛人にせずにいられないのか、そのヒントは別の短編「シーリング」にあって、学生時代に輝いていた元彼女のこと、そして既にもう遠い場所にいる彼女からの手紙に動揺して、あの頃の回想を繰り返し続ける「今は何不自由のない生活を送っている」男、という存在が見えてくる。
あるいはアメリカで暮らす大学院生の女性が「祈ろう」と現れた同じアパートに住む青年と関わって互いの痛みの理由を差し出し合ったとき信仰の根源に触れる美しいエピソード「震え」と、ある種の階級であるがゆえにひたすらに傍若無人だった兄が収監されて変わっていく様子を描き、ナイジェリアの腐った組織の現実と希望を行き来させる「セル・ワン」。これも全く異なる話なのに、不思議なくらい「同じ血」が流れていることを感じられる2作品でした。いくつかの作品が折り重なっていくと、それぞれの物語に描かれる世界はぐんと奥行を増す。

最後におさめられた「がんこな歴史家」には本当に胸がいっぱいになりました。気性激しく逞しく、惚れた男を愛し抜いて一緒になって、流産を繰り返しながらひとりで子どもを産んで育て、時代時代の変遷とともに「私の人生」を生きるめちゃくちゃたくましいおばあさんの物語です。パーソナルなものとして語られていた物語が、「受け継ぐもの、受け継がれるもの、わたしがわたしであること、いつかそれは物語になる」という「大きな物語」にラストの数段落でぐわっと飛翔する瞬間!私は彼女(たち)の語ること以外に何も知らないけれど、確実にその声と響きあうものは自分の中にあるという確信とともに、「私の物語」が「あなたの物語」として受け渡され、今、私の元に届いたんだということに落涙せずにいられませんでした。

narrative-794978_960_720私は読書においてこうした「(感情移入はあまりしないのに)キャラクターの声に自分の中の何かが共鳴して忘れていた感情が呼び覚まされる」のがいちばんぐっとくるポイントなのですが、もちろんこのポイントは人によって、また作品によってまったく違うことでしょう。描写のディテールを楽しみ、言語感覚や文体の気持ちよさを楽しむのも読書の楽しみですし、プロットそのものに衝撃を受けて射貫かれるのも楽しいもの。編者のセレクトの妙を味わいそれぞれの作品の「異」を楽しみながら新たな作家に出会うきっかけとなるアンソロジーも特定の作家の「世界の見え方」を多角的に堪能できる短篇集も、じっくり読める長編も、それぞれにいいものです。
いずれにせよ、9月になり読書の秋の到来です(まだまだ秋っぽくないですけども)。本の中でなら目に見えないところにだっていける、予想もしなかったものに気軽に心を重ねられる。あなたにも私にも、お気に入りの素敵な1冊が見つかりますように。明日も善き物語を! (@vertigonote)

【Movie】こんな風に過ごしたい!理想の夏休み映画

こんにちは、ズバリです。8月もあっという間に後半。お盆休みには旅行やお出かけを楽しまれた方も多いと思います。私はというと、暑さと人混みが苦手で、どこかへ行って思い出を作りたいという以上に、その気分が味わえたらそれでいいと思っているせいか、この時期になると夏休みを描いた映画や小説に触れたくなります。そこで、今回は私の好きな夏休み映画をご紹介します。

■冬冬の夏休み
小学校を卒業した冬冬は、夏休みの間、幼い妹と一緒に田舎の祖父母の家に預けられることに。台北出身の冬冬にとって、田舎でみるものすべてが新鮮。地元の子どもたちとも仲良くなり、田舎暮らしに馴染んでいきます。そんな牧歌的な暮らしの中での花園記事20160806冬冬の小さな成長を描いた本作ですが、冬冬の周りにいる大人たちの人間模様も見どころ。そして台湾の夏休みは、少し日本のそれにも似ています。「仰げば尊し」が流れる冒頭の卒業式や、夏の終わりを感じさせるある童謡も含めて何だか懐かしい。夏休みが訪れたときの楽しさから、秋のはじまりまでを映画一本で堪能できます。

『冬冬の夏休み』は8月27日(土)~9月2日(金)まで早稲田松竹で上映予定です。

■プロヴァンス物語/マルセルの夏花園記事20160806.2
頼もしいパパと優しいママ、かわいい弟妹と暮らす9歳のマルセルは、プロヴァンスの別荘でひと夏を過ごします。プロヴァンスで過ごす夏、というフレーズだけで、羨ましさしかありません。美しい風景とおいしいものと、愛する人々に囲まれた別荘での暮らしは幸福なことばかり。都会に戻ることになったマルセルが、家出を企てる気持ちがよくわかります。
『マルセルの夏』は父親への愛情をフィーチャーしていますが、続編の『マルセルのお城』は母親に対する愛情を描いています。こちらも素敵な映画です。

■緑の光線
こちらは大人のバカンスを描いた作品。デルフィーヌは心待ちにしていた友達とのバカンスをドタキャンされて傷心気味。何とかバカンスを楽しいものにしようとしますが、どことなく孤独な気持ちが拭えない。
バカンスがない国の人間としては、1ヵ月以上の長期休暇は喉から手が出るほど欲しいもの。でも実際にバカンスがあったら、家族や恋人と過ごさないといけないという同調圧力で四苦八苦するのかなあ、などとリアルなバカンス事情を疑似体験できる花園記事20160806.3作品です。デルフィーヌは友達からも気を遣ってもらっているのに、情緒不安定気味で周りにいたら面倒に感じてしまいそうなタイプの女性。男性からのお誘いもあるのに、なぜかうまくいかないあたりは「喪女はマインド」を感じさせて、彼女の幸せを願わずにはいられません。
『緑の光線』は角川シネマ新宿にて、エリック・ロメール監督特集『ロメールと女たち』の1作品として、9月24日(土)~9月30日(金)まで上映されます。

■Swallows and Amazons
最後にこれから観たい夏休みの映画を。〝Swallows and Amazons″は児童書の名作、『ツバメ号とアマゾン号』の映画化。ジョン、スーザン、ティティ、ロジャの4人兄妹は子どもたちだけで小さな帆船に乗り、無人島でキャンプをすることに。同じように湖畔で過ごす同年代の姉妹で、自らを海賊と名乗るナンシィとペギィや、彼女たちの叔父であるフリント船長との交流を描きます。

原作は1930年に書かれましたが、女の子の活躍が際立つのが印象的。想像力豊かなティティや海賊船の船長ナンシィのキャラクターはとりわけ強烈です。女の子たちだって冒険したいという気持ちが大切にされていて、彼女たちの生き生きとした描写は現代の作品としても通用します。

そして、憧れのロハスライフ。たまに土人(お母さんをはじめとした大人たちのこと)と会う以外は、すべて子どもたちだけのDIYな生活。釣った魚を食べたり、湖で泳いだりしているだけで、大きな出来事は起こりませんが、夏休みにやってみたかったことが凝縮されています。

映画版では優しくて賢いお母さんをケリー・マクドナルド、フリント船長をレイフ・スポールが演じます。原作では子どもたちが自分自身を船員や海賊にみたてて、本気でごっこ遊びに取り組む姿が印象的ですが、それは大人の協力もあってこそ。土人や邪悪な海賊というごっこ遊びの役に取り組む大人の俳優たちは微笑ましいだろうなと思います。子役は無名の子どもたちを起用していてフレッシュな印象。ティティをリリー・アレンの妹のTeddie-Rose Malleson-Allenが演じています。

以上、この時期だからこそ観たい、夏休み映画でした。子どもの頃と違って1週間のお盆休みしかなくても、その気分だけはいくつになっても味わいたいものです。皆さんも、映画で夏休みを疑似体験して、思い出の夏を作ってみませんか?

【Art】美しさへの眼差しと賛辞/三菱一号館美術館「ジュリア・マーガレット・キャメロン」展 by内山美代子

こんにちは、ガーリエンヌです。
梅雨明けして夏本番、暑い日が続いています。夏の強い日差しを避けるうまいやり方のひとつに、美術館に足を運ぶというものがあります。
今回は、美術史を研究する内山美代子さんに、三菱一号館美術館で開催中の「ジュリア・マーガレット・キャメロン」展のレビューを寄稿していただきました。

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ヴィクトリア朝の英国、芸術家や文化人の交流、手紙や小説―そんなものがお好きな貴方におすすめしたい展覧会があります。作品は夏の暑さを忘れるには十分過ぎるほど美しく、なによりそれを生み出した女性がとびきり格好いい。
三菱一号館美術館で開催中の「ジュリア・マーガレット・キャメロン」展です。 
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19世紀の写真家ジュリア・マーガレット・キャメロンの、日本初の回顧展。約150点の写真作品や書簡などの関連資料を通じて、彼女の芸術表現を鮮やかにみせてくれます。
写真が現実を記録するものとみなされていた時代に、芸術的な表現に挑戦し、写真史に革命をおこした女性。初めてカメラを手にした時の興奮、果敢さと美への切望、被写体の個性を焼き付けることに全精力を傾ける姿……。彼女の一直線で情熱的な姿勢は、どこか微笑ましく、そして魅力的。娘夫婦からカメラを贈られたことをきっかけに、彼女が写真を撮り始めたのは、48歳の時でした。
私自身も何かに没頭し、情熱を注ぐ時間が心底好きです。キャメロンのように、年を重ねても新たな「何か」に出会ったら臆せず飛び込んでいく人でありたいと思っています。キャメロンは私のロールモデルですが、展覧会をみて改めて「なんて素敵な人なんだろう」と思いました。

《アニー》1864年

《アニー》1864年


この展覧会の面白いところは、各章がキャメロンの書いた手紙からテーマを導き出し、構成されているという点です。彼女の鮮烈な言葉の数々も見どころのひとつでしょう。冒頭で紹介されるこの一節には胸打たれます。「私の夢は、詩や美しいものに精一杯身を捧げ、真実をまったく犠牲にすることなく理想と現実を組み合わせることで、写真の品位を高め、写真にハイ・アートの特徴と有用性をもたらすことです。」
《ベアトリーチェ》1866年

《ベアトリーチェ》1866年


キャメロンは、クローズアップの先駆者で、意図的にピントをぼかした状態で撮影した最初の写真家でもあります。伝統にそむく手法は凄まじい批判も浴びますが、その独特の手法で、被写体の内面を映し出す肖像写真を生み出します。作家や芸術家、思想家達と親交があったキャメロンは、彼らの写真を撮っています。詩人のテニスンや画家ジョージ・フレデリック・ウォッツ、チャールズ・ダーウィンなど、ヴィクトリア朝の著名人達の肖像写真は、この時代が好きな人には必見です。彼らの内面が眼前に立ち上るような力強さがあるのです。
《五月祭》1866年

《五月祭》1866年


彼女は被写体を聖書や物語の登場人物に扮装させた写真にも挑戦しました。女性モデル達を「仮装」させて撮った写真は、夢見るように優美です。展覧会では主要なモデルとなった5人の女性が紹介されていますが、キャメロンのこの女性達の美しさへの眼差しと賛辞は、個人的に強く推したい見どころです。
《ハーバート・ダックワース夫人》1872年

《ハーバート・ダックワース夫人》1872年


キャメロンの姪、ジュリア・ジャクスン―ヴァージニア・ウルフの母親、美しさで知られエドワード・バーン・ジョーンズら多くの画家のモデルとなった人物―も主要なモデルのひとり。キャメロンの写真の中で、ジュリアは他の女性モデルのように物語の中の人物として表現されることはなく、ありのままの姿で映し出されました。キャメロンにとって姪ジュリアは「特別」だったのでしょう。妖精のような女性達の写真もロマンティックですが、私はこのジュリアを写した写真に一番心惹かれます。特に、彼女がカメラを見つめる写真には深い趣きがあり、その前から離れがたくなります。

「手紙」がキーとなっているこの展覧会ではキャメロンの手紙も(その生き生きとした筆跡も)みることができます。鑑賞後は私も手紙を出したくなりました、「貴方におすすめしたい展覧会があります」と。
(9月19日まで開催)
※画像は全てジュリア・マーガレット・キャメロンの作品、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館蔵 ©Victoria and Albert Museum, London

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内山美代子 プロフィール
大学の美術史研究室の助手。
女性同士の関係性を描いた物語が好き。 好きな探偵はクリスティーのミス・マープル。

【LIFE】私の偏愛コレクション〜お菓子缶と紙ものの甘い関係♡

こんばんは、@ngsm148です。先日の霧とリボンさんでの企画展にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。私も最終日にお邪魔したのですが、予想以上の大盛況でびっくりしてしまいました。改めて参加いただいた作家の皆様、そしてこうした機会を与えてくれた霧とリボンさんに感謝です!

「GIRL & PAPER」をテーマにした紙版『花園magazine』最新号と連動した今回の企画展。会場内は作家さんたちによるかわいらしいポストカードや蔵書票がずらりと並び、紙もの好きにはたまらない空間でした。思わず大人買いする来場者の姿もあり、改めて女子は紙をはじめとするかわいい小物を集めるのが好きなんだな、と感じました。

もちろん私も例に漏れることなく、大の収集家。ポストカードをはじめ、本にレコードに……一人暮らしのマンションのどこにそんなに収納するんだというほど、集めたがりなのです。今回は、そんな私が集めずにはいられないコレクションの一つ、お菓子の缶についてお話したいと思います。

Yuzuko 著『食べておいしい、使ってたのしいかわいい缶の本 』(玄光社)

Yuzuko 著『食べておいしい、使ってたのしいかわいい缶の本 』(玄光社)

■缶集めと私

子どもの頃から、頂き物のお菓子がかわいい缶に入っていると「それちょうだい!」と母にねだっていた私。缶好きな人が自分以外にも一定数いるのだと認識したのは、左の写真の本を見つけたときでした。その名の通り、日本各地のかわいい缶が紹介されたこの本を見て、同じような人がいるということに安心したとともに、なんとかして好みの缶を手に入れたい!という思いに駆られて大変なことに……(笑)。幸いお取り寄せができるお菓子も多く、私同様、缶好きの母にお願いして手に入れたものもいくつかあります。

そんなお気に入りの缶たちをどうしているのかというと、本棚に飾ってインテリアの一部にしたり、細々したものを収納するのに使ったり。一応自分なりにかわいい&お気に入りの缶たちは見えるところに置くようにしています(もちろん、中には引き出しの中に入れっぱなしのものもありますが……)。今回はそんなコレクションの中から「GIRL & PAPER」という特集にあわせて、紙ものの収納に使っている2つをご紹介します。

■Collection1:ゴンチャロフ「貴婦人と一角獣展チョコレート」
collection12013年に六本木の国立新美術館で開かれた「貴婦人と一角獣展」。大きな展示室を取り囲むようにして6枚のタピスリーが飾られた空間は、タピスリーが作られた中世の修道院にタイムスリップしたかのような厳かな雰囲気で、私にとって今以て印象深い展覧会の一つです。そこで販売された神戸の洋菓子メーカー・ゴンチャロフとのコラボ商品が、こちらのチョコレート。ペンケースくらいの大きさの缶の中には、私にとって捨てられない紙ものの一つである展覧会や映画のチケットの半券を入れています。「使えないものだし破棄したら」と言われることもありますが、今の自分を作ってきたものたちなので、どうしても手放せずにいます。

■Collection2:Reman「ルーブリアン」

collection2麦チョコの生みの親でもある洋菓子メーカー・Remanのチョコレートアソート缶。金色のボディにナポレオン3世の妻フランス皇后ウジェニーと女官たちの絵が描かれた美しい缶は、名前の通りルーブル美術館をイメージしたもの。私は展覧会に行くたびに気になる作品のポストカードを購入して帰るのですが、この缶にはそんなポストカードコレクションを入れています。お気に入りの作品だけがしまわれた缶は、私だけの特別な美術館のような存在です。

いかがでしたでしょうか? ここに紹介した例は、コレクションしている中でもかなりキレイに活用できているものです。クリアファイルに挟んだままになっている展覧会や映画のチラシ、空っぽのまま飾っているお菓子の缶や箱、そして本棚から溢れだして枕元にまで積まれた本。流行のシンプルライフや断捨離とはほど遠い生活ですが、こうやって振り返ってみると、私にはなくてはならない存在ばかり。いつかコレクションすべてを飾れるような大きな家に住みたい! なんて生涯叶いそうにない野望を抱きながら、今後もコレクションに勤しんでいくことでしょう。