【Life】結婚祝いにおすすめのアイテム8選

こんばんは、ガーリエンヌです。
私事ですが昨年11月に入籍し、1年ちょっと経ちました。この間、人生で後にも先にもないんじゃないかというくらいの結婚祝いをいただきました。本当にすべて嬉しく(もらえると思っていない場合が多かったので、感激もひとしお・・・)ありがたかったです。
同時に、自分から結婚祝いをあげる機会も多くあり、「喜ばれるプレゼント」ということについてよく考えた1年でした。
もちろん人の好みは千差万別ですし、何よりまず気持ちあってのものなので、けっして正解はありません。それを踏まえたうえで、比較的汎用性の高そうなギフトを選んでみました。
お酒や食べ物が好きなので、それにまつわるアイテムが多いのはご容赦ください。

imageresize-phpオーバル型の深皿
結婚祝いで平皿やグラスはよくもらうと思うのですが、普段使いしやすいという意味で、個人的な一押しはオーバル型の深皿です。私が使っているのは、夫が引き出物でもらったロイヤルコペンハーゲンのもの。サラダ、メイン、パスタなどどんな料理も引き立ち、2~3人でシェアするのにちょうどいいサイズ。オーバル型だとなぜかおしゃれに見える気もします。

2016-12-27-23-31-43カッティングボード&ブレッドナイフ
これは独身時代から使っていたのですが、結婚後に家に人を招く機会が増えて、これまで以上に重宝しています。チーズ、生ハム、パンなど、何を置いてもサマになります。気取らず、みんなで取り分けるようなスタイルになるのも好きです。ブレッドナイフは2000円前後で十分使いやすいものが買えます。パンはもちろん、フルーツなども切りやすい。

2016-01-07-23-34-40錫の酒器
お酒好きな相手限定にはなりますが、錫の酒器はどんな食卓にも合うスマートな贈り物です。錫は熱伝導率が高く、1~2分冷蔵庫に入れておくとよく冷え、またぬる燗でも美味しくいただけるという特徴もあります。仕事相手の方にいただいた能作のぐい呑みは、お酒を注ぐと底に月が浮かぶ洒脱なデザイン。気に入って片口と箸置きも購入しました。

2016-06-08-21-40-37シャンパン
お酒はギフトの定番ですが、ワインや日本酒、焼酎などは、好みがあって選ぶのが意外と難しいもの。その点、シャンパンはまず間違いがありません。もらう側からしても、「シャンパンがあるから遊びに来ない?」と、人を招くいい口実になったりもします。値段もさまざまなので、予算にあわせて自由に選べるのがいいところ。個人的にはモエが好きです。

%e3%83%ab%e3%83%94%e3%82%b7%e3%82%a2ノンカフェインのお茶
良質な睡眠のためにも、夜はノンカフェインドリンクを飲むようになりました。またカフェインが摂れない妊娠中の友人も多いので重宝します。ルピシアのノンカフェイン詰め合わせは、いろいろな味が試せて楽しかったです。なかでもおすすめは、自然な飲み口で何にでも合う「オーガニックルイボスナチュラル」、少し甘みのある「ジャルダンソバージュ」。

jomaloneディフューザー&ルームスプレー
消耗品であると同時に、インテリアにもなるディフューザー&ルームスプレー。私自身がもらって愛用しているのは、ジョー・マローンのルームスプレー「イングリッシュペアー&フリージア」。英国の庭を思わせるような、芳醇かつ爽やかな香りは、いつ嗅いでも幸せになれます。ボディソープなど、同じ香りのシリーズとセットであげるのもいいかもしれません。

03-pearl_2印鑑
現在の日本では、ほとんどの場合、入籍すると女性が男性側の名字に変わると思います。正直なところ、その手続きはかなり広範囲にわたり、かつ面倒くさい……。そのとき印鑑は絶対に必要となるので、可愛いものをもらえると嬉しい&ラクでした(私の場合は厳密にいうとリクエストしたのですが)。好みの書体もあると思うので、事前に相談してから買うのが良いと思います。

rooms_01_bigスパのギフトカード
自分で払うにはちょっと高価だけど、とびきり贅沢を味わえる時間、それは高級スパ。友人からロン・ハーマンのサロン「センス」のギフトカードをもらったときは、飛び上がるくらい嬉しかったです。特に結婚式前であれば、式の準備であわただしいのを癒す&結婚式に向けてのブライダルエステとして活躍します。かさばらないのも嬉しいところ。

いろいろ書いてみましたが、本人からリクエストを聞ける場合は、それがいちばん無難です。結婚祝いは高価なものですし、本人&配偶者の方の好みもあると思うので。商品券や現金も、個人的にはとてもアリだと思います。

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さて、最後になりますが、本年も大変お世話になりました。
年明けには紙版最新号のお知らせもできる予定です。
来年も花園magazineをどうぞよろしくお願いいたします!(@girliennes)

【LIFE】2017年を彩る手帳@zubari21

今年も終盤に差しかかり、寂しさを感じると同時に2017年はどんな年になるのかわくわくしています。そして、そろそろ来年の手帳をどうするか考える時期にもなりました。今回は来年、私が使ってみたいなあと検討している手帳をご紹介いたします。

定番といえばこの手帳

■モレスキン

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ピカソやヘミングウェイが愛用してきたというモレスキン。素っ気ない見た目ですが、自由度が高くて、使う人のアイデアによっては世界に一つの手帳ともなりうるブランドです。ハードカバーの表紙も使っているうちに柔らかくなってきて、それも味になってきます。私は一時期、本当にくたくたになるまで使っていて、姉から「何でそんなよれよれの手帳使ってんの?」と言われたことがあります…。

限定版はPEANUTSや星の王子さまとコラボしていて、どれも素敵ですが、なかでもドラえもんの手帳がかわいいなと思っています。水色を基調としたカバーにドラえもんの顔がどんと描かれているのが愛らしいです。

オンラインショップはこちら:http://www.moleskine.co.jp/ec/products/list.php?category_id=200

■EDiT

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シンプルで仕事にも使いやすいEDiT。1日1ページ使える贅沢なタイプや時間を細かく刻んで予定が書き込めるタイプなど大きく分けて3つのタイプの手帳があるのが便利。カバーは派手すぎず、色が豊富で好みに合ったものを選べます。公式サイトでユーザーさんの使用例が紹介されていて、こういうのを見ると手書きで何かを書きたくなります。

公式サイトのHow To Use:http://www.edit-marks.jp/howtouse/

もっているだけでうれしい

■Paperblanks

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ここの手帳は眺めているだけで眼福。ハリー・ポッターや指輪物語みたいなファンタジーの世界に出てきそうなカバーが特徴です。羽ペンを持って筆記体の文章やエルフ語が書きたくなってきますし、カバンから取り出すたびに、にこにこしてしまいそう。

オンラインショップはこちら:http://www.paperblanks-online.jp/products/list.php?category_id=9

旧作邦画クラスタ御用達

■名画座手帳

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今年はこの手帳を使用していました。都内の名画座上映の情報を網羅したフリーペーパー「名画座かんぺ」の発行人のむみちさんが監修されています。一見すると、余白を大きめにとった機能性のいい手帳なのですが、その名の通り、旧作邦画ファンにはうれしい仕掛けがたくさん付いています。特にうれしかったのは、昭和の物価が掲載されていること。昭和41年の公務員の初任給23,300円に対して昭和40年のバナナは1kg、264円もしたのね、といった発見があるのが楽しい。旧作邦画をますます観に行きたくなる仕様となっています。

名画座手帳特設サイトはこちら:http://tomasonsha.com/meigaza/

書くものがないときの味方

■暮らしのキロク

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手帳を持って毎年思うのが、何か書いてみたいけど、予定もそんなにないし何を書いたらいいのかわからないということ。暮らしのキロクはノートに貼り付けられる付箋形式のメモ。本の感想を書ける読書メモや食事をしたお店の評価が書き込めるレストランメモなど、28種類のデザインが出ています。映画の感想が書けるメモもあるので、日々の記録を残すのが苦手な私でも続けられるかなあと手帳とあわせて購入を検討しているところです。

暮らしのキロク公式サイトはこちら:http://www.kingjim.co.jp/sp/kurashinokiroku/

実際にはほとんど何も書かずに終わることも多い手帳。それでも自分だけの手帳を求めて、毎年買ってしまいます。皆さんは、すでに来年の手帳は決まったでしょうか。もしおすすめがあったら、ぜひ教えてください!以上、今年もページを埋めるべく、くだらぬことばかり書き込んだズバリより、気になる手帳のご紹介でした。

【Fashion】Get The Styles Of Krystal-f(x)! なりきりクリスタル

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中央に立つのがクリスタル

こんばんは、ガーリエンヌです。
気になるセレブのファッションをまねっこ! 第9回は、日本でも熱狂的なファンの多いK-POPグループf(x)のセンターを務める、クリスタルを取り上げます。

ビクトリア(Victoria)、クリスタル(Krystal)、ルナ(Luna)、エンバ(Amber)の多国籍メンバー4人で構成されたf(x)。2009年にデビューして以来、実験的な独特の音楽性と、スタイリッシュで媚びないビジュアル&パフォーマンスで、同性ファンを中心に高い人気を誇っています。
20140512_kfashionista_fx_krystal2f(x)の顔であり、女優やモデルとしても活躍するクリスタルは、サンフランシスコ出身の韓国系アメリカ人で、元少女時代のジェシカの妹でもあります。整ったクールな美貌と、どこか陰のあるアンニュイな雰囲気、ふと見せる笑顔のギャップで、グループでも圧倒的なオーラを放つ存在です。
普段のファッションは、細長い手足が映える、ややマニッシュな辛口カジュアル。色はモノトーンや茶、ベージュ、アイテムはシャツやニット、スキニーパンツが基本で、小物でアクセントをつけつつ、さらっと着こなすのが得意なよう。一方で、雑誌の撮影では思い切りモードやガーリーに寄ったりと、どんな服も着こなせるのも魅力です。

そんなクリスタルのファッションを真似っこ!

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ツイードジャケット&スキニーパンツ
クリスタルの大定番が、ジャケット、シャツ、スキニーパンツ、ショートブーツという組み合わせ。
少し大きめサイズのジャケットの袖口を折り返すことで、ボーイッシュな雰囲気ながら、ほんのり女性らしさもプラス。
あえてバッグは持たず、長財布だけをそのまま持ち歩いて、より男前な印象に。

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ボーダー&デニム
ボーダーとデニムという究極シンプルな組み合わせも、クリスタルスタイルの鉄板コーデ。
ボーダーは縞が細くて詰まったものよりも、地の部分が多めのほうがお好きなよう。ニットタイプもよく着ています。
はくだけで今年らしいワイドデニムと、白のぺたんこスニーカーが好相性です。

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タキシードジャケット&シャツ&ハイヒール
「美少女は襟付きのトップスが絶対に似合う」説を唱えているのですが、クリスタルはまさにその代表格。
ノースリーブシャツにタキシードジャケットを肩掛けし、足元に色を効かせた、大人辛口なコーディネートです。
写真のクリスタルはミニスカートですが、今年らしさを出すなら膝丈タイトスカートもおすすめ。

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チェック柄コート&オックスフォードシューズ
トラッドなスタイルもお好きなクリスタル。チェック柄コート&オックスフォードシューズの着こなしは、この時期真似しやすそう。
ただし足元をchurch’sの鋲付きにすることで、ただの学生風におさまらず、エッジィな印象を与えています。
ここでもバッグは小さなクラッチ。荷物が少なそうなところも、浮世離れしていて素敵♡

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Tシャツ&カラータイトスカート
カジュアルな組み合わせでも、どこかクールに仕上げる鍵は、コンパクトでタイトなシルエット。
サングラスやブレスレット、ネイルで、ロックな味付けを。年中応用できそうなコーディネートです。
今の時期なら、羽織り物として、レザージャケットや大きめブルゾンをプラスして。

2016年はf(x)初の全国ツアーを開催し、本格的に日本進出を果たしました。私も東京公演に行きましたが、美しさ、可愛さ、格好よさ、3つの魅力が満載の内容で、とても楽しかったです。この全国ツアーのアンコール公演が、11月2日と3日に横浜アリーナにて開催されます。


さらに、日本語シングル「4 Walls / COWBOY」も、11月2日発売。こちらの動画はオリジナルの韓国語Verですが、タイムリープをテーマにしたファンタジックな短篇映画のような仕上がりで、クリスタルの独特の美しさが堪能できておすすめです。もちろん、他のメンバーもそれぞれ個性的で最高。これからの活躍に期待です!
(@girliennes)

【Movie】等身大ヒロインと大人の痛みの帰還 ――『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』

こんにちは、L@eryeryerynaです。

すっかり秋も深まり、1年も終わりに近づいていることに絶望を覚える今日この頃……。

今年スクリーンに帰ってきた大物と言えばやはり『シン・ゴジラ』のゴジラが記憶に新しいですが、この秋、英国が生んだあの伝説的ヒロインも劇場に帰還しますね。

太めで補正下着が欠かせず、酒びたりでヘビースモーカー、相当なドジ、そしてシングル。特別若くも、特別きれいでも、特別賢いわけでもないけれど前向きで、みすぼらしささえもチャーミングに変換させてしまう主人公……その名もブリジット・ジョーンズ!

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来る10/29(土)に公開されるのは、『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)、『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(2005)に続くシリーズ3作目で、11年ぶりの新作となる『ブリジットジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』。

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三部作の集大成となるこの作品を一足早く鑑賞してきたのですが、前作・前々作同様にロマンスはたっぷり、そして大人の女にまつわるリアルな問題が見え隠れするビターさは増し増しで帰ってきていました。

シリーズ1作目冒頭、レニー・ゼルウィガー演じるブリジットが新年をひとりで迎え、お酒を片手にパジャマ姿で「オールバイマイセルフ」を熱唱するシーンはあまりに有名。

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「今年こそ断酒してダイエットして、そして恋人を見つける!」と新年の誓いを日記に書き込む、共感しかない物語のスタートからはや15年……。ノートブックからiPadへと姿を変え、本作でも彼女は思いの丈を日記にぶつけることになります。

これまでに彼女とロマンスを繰り広げてきたのは、コリン・ファース演じる仏頂面カタブツ弁護士のマーク・ダーシーと、ヒュー・グラント演じるお色気チャラ男上司ダニエル・クリーヴァー。

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マーク大先生の恋愛名言の数々や、色男ダニエルの器用な女たらしっぷりにうっとりできる、「けんかをやめて、二人をとめて」な竹内まりや的三角関係(贅沢すぎる!)もシリーズの大きな魅力でした。

前作の『きれそうな私の12か月』で晴れてマークと「めでたしめでたし」のその先の「ハッピーエンド」を迎えたはずのブリジット。ところがどっこい、『ダメな私の最後のモテ期』の予告やチラシでマークが「元カレ」と表記されていることに、出川哲郎ばりの「WHY?」が出た人も少なくないのでは? 本作は、1作目の『ブリジット・ジョーンズの日記』から10年経った設定。ブリジットも32才から43才になり、30代から40代へと年齢を重ねる中で彼女を取り巻く環境は大幅に変化しています。

残念ながら我々が期待したようなハッピーエンドは維持されず、運命の人と結ばれたかと思われたブリジットは彼氏なしのシングルに逆戻り。再び「大人のひとりぼっち」と向き合うはめになっていたのでした。その結果、パジャマ姿で43歳のバースデーを1人さびしく迎えるデジャヴのようなブリジットの姿から始まるのが本作。

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恋人がいないのはともかくとして、彼女の誕生日にかけつけないとは、あの3人のやさぐれ系親友たちは一体どうしたのか?

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もちろん、友情は途切れず続いており、信頼関係で結ばれている様子もあの頃のまま。ブリジット以外の3人は結婚して子どもを持ったことで生活も物事の優先順位も変わり、以前のような付き合い方はできなくなっていたのでした。

こういう少し寂しい人間関係の変化、リアルに味わっている方も多いのでは? 健やかなるときも病めるときも連れ添ってきた友だちがいても(そして決してその大切さは変わっていなくても)、例えば結婚や出産という人生の大きなイベントを通して環境が変わってしまえば、ずっと一緒に人生の大事な局面をカバーしていくことは厳しい。悲しいことに、孤独は愉快な親友たちがいても避けられないんですよね。

1作目と本作の監督であるシャロン・マグワイアは、『ブリジット・ジョーンズの日記』がヒットした理由について「孤独が万国共通の恐怖で、誰もが一人ぼっちを恐れており、単なるコメディではなくブリジットの孤独への恐怖が描かれた部分に多くの女性が共感したから」と語っています。

三部作の最終章である本作は、シリーズを通して隣り合わせにあった孤独とのファイナルマッチで、「ひとりぼっち」を本質的な意味で脱却するための物語になっていると思います。(その脱却の仕方については個人的には少し残念に思うところもあるのですが……。)

旧友たちとの付き合い方が変わった今、ブリジットを慰めるのは30代でシングルの同僚たちとの気の置けない会話。実は前作からは職場にも変化があり、テレビ番組のリポーターとして人気を博していたブリジットですが、なんと本作ではニュース番組のプロデューサーに出世しています!

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大胆すぎるドジ癖こそ健在ですが、エルニーニョ現象も知らなかったあのブリジットが、政治問題について的確な取材指示を出す立派な姿にはびっくり…。ドジを踏もうがバカにされようが、続けて仕事と向き合ってきたのであろうこの10年という歳月は彼女を裏切らなかったということか、と勝手に少し胸が熱くなったりして。

それでも『SEX AND THE CITY』のキャリーやサマンサのように、イケイケの働くアラフォーとして憧れられる立場にならせてもらえないのがブリジット・ジョーンズ。年下の女が新しいボスとして現われ、ブリジットたちの作る番組を退屈だと一蹴。歳を重ねたことでようやくキャリアを掴んだのに、今度はフレッシュな感性を求められ「古臭い」と言い放たれる理不尽さの中で奮闘します。

ブリジットがプロデューサーを務める番組のキャスターであるミランダは、彼女のよき理解者。おカタい常識には縛られない奔放な性格で、放送中も音声が入らない瞬間をねらって、「このあいだ3Pした男は」などと性生活をオープンに語ってしまう大胆さが気持ちいいキャラクターです。

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そしてそのミランダにけしかけられたことをきっかけに、恋愛もご無沙汰だったブリジットは再び「けんかをやめて」な羨ましすぎる三角関係に取り込まれることに。

今回その三角関係にはおヒュー様(ダニエル)はある理由で参戦ならず……。代わりに出演しているのが、ドラマ『グレイズ・アナトミー』でもおなじみのパトリック・デンプシーです。

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パトリック・デンプシーと言えば、親友ラブコメの超名作『近距離恋愛』ではダニエルさながらの遊び人、『魔法にかけられて』ではマークさながらのカタブツ弁護士を演じて観客をもだえさせてきたときめき演技の匠。「ダニエルが出ないブリジット・ジョーンズの日記なんて!」というファンの不満を見事におさえる、ラブコメ好きにはたまらない文句なしの人選に拍手を送りたい!

彼が演じるのは、リッチでイケメン、しかも性格もよしという絶滅危惧種に登録すべき非の打ち所のない実業家・ジャック。ダニエルのような器用さやユーモアは持ち合わせながら意外にも硬派、そして何より今どきでロマンティックな行動力が魅力的です。私がこの作品の中で一番うっとりしたのはクライマックスでもなく、マークがらみのシーンでもなく、彼が中盤でくりだした反則テクニックでした。他の映画であれば、クライマックスでも使えただろうズルい名シーンなので、ラブコメ好きは請うご期待!

とはいえ、もちろん歳を重ねたマーク・ダーシーも変わらず素敵……。(巧みに愛を語るマーク節も健在!)前作までのマークvsダニエルとはまた違った「取られ合い」を楽しむことができます。

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そして、ブリジットのあの悩みごとにも変化が。太めの体重を気にしていた彼女ですが、なんとデカパン不要の理想の体重とスリムな体型を手に入れています。(彼女の魅力とはむっちりした体であり、私たちを勇気付ける体重ではなかったのか? と思うと少し寂しいですが……。)

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しかしながら、理想の体型をgetした代わりにハリと血色を失ったブリジットは、シワが目立って43歳という設定年齢よりも老けて見える上、レニーのお顔なおしもあって顔認証エラーが出そうな変わりっぷり。そんな彼女の風貌にショックを受けたのも事実です。

シリーズを通して、マークはブリジットに「ありのままの君が好きだ」「君が太めでもヒステリーでも大切にするよ」と、彼女の不完全さもひっくるめて受け入れるというメッセージを送り続けていました。そして私たちも彼女の不完全でダメな部分が好きだったはず。本作が始まってすぐつきつけられたのは、今現在の「ありのままのブリジット」をはたして愛せるのか? という課題でした。

『ブリジット・ジョーンズの日記』は、自分と他者の不完全さを許し、認めていく物語だったように思います。また、スクリーンの中の不完全な彼女を愛することで、私たちは自分自身の抱える不完全さ(彼女と同じく太めだとかシングルだとか、あるいは仕事ができないとか)を許せたこともあったかもしれません。整形はともかく加齢による変化もまた私たちにとっても無関係なものではなく、遅かれ早かれ受け入れていかなくてはならない問題。製作側としては全く意図していないところでしょうが、予想外なブリジットの老けっぷりから、彼女の(そして自分の)「変化も込みのありのまま」を受け入れることについて改めて考えさせられたのでした……。

レニーは「生きていく中で思い描いていたのとは違う場所にたどりついてしまうことがある。ブリジットの物語のこの章が描くのは“思い描いていた人生VS自分自身の今の姿”なの」と語っています。40代の仕事、恋愛、友情といったテーマにシングルの孤独、出産へのタイムリミットなどへの不安や恐怖を内包させながら、大笑いできるコメディに仕立てられた『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』。いつか理想とは違う人生にたどり着いてしまったとき、やはりそれを許し、認め、喜劇へと転換する目線をくれる、大人のための愛すべき作品でした。

(@eryeryeryna)

公式サイト:http://bridget-jones.jp/

 

【Fashion】マイ・ヴィンテージになる服を探して

こんにちは、Chiaです。残暑も和らぎ、涼しさが訪れた今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。この時期には「ファッションが楽しい」という声をよく聞きますが、私も衣替えと断捨離を終えて、コーディネートについてあれこれ思案する今がとても楽しいです。2017年の春夏コレクションをチェックするのも、また一興。ファッションという芸術は、やはり秋にぴったりだと思わされます。
introduction
衣替えと断捨離を終えたと書きましたが、今回の本題はまさしく「ワードローブにどの洋服を残したのか」について。もともとアパレルに勤務していたこともあり、購入した洋服の総計を考えると気が遠くなりますが、30代に入り、自然と数が減っていきました。というよりも、減らしていかざるをえませんでした。クローゼットの収納には限りがありますし、経年劣化で着られなくなった服もあります。しかし、そういった理由以外で見限られる洋服の多いことに、私を含めて、心を痛める方が多いのではないでしょうか。流行でない、似合わない、着る機会がないといった理由です。色んな言い換えが可能ですが、おそらく、その洋服たちが必要でない理由は「ときめかない」の一言に尽きます。

雑誌などをみると、洋服を処分する時には「◯年以上着ていなかったら」「◯着以上になったら」といった細かいルールを設けている場合もあります。私の場合は、もっと大雑把に「その服に対して、前向きな気持ちを持てなくなったら」と考えています。「なんとなく似合わないな」「どうして買ったんだろう」「流行が過ぎて、着たくない」などの気持ちは、すべて後ろ向きです。その洋服を見るたびに、そんな考えが頭に浮かぶのでは、もはや所有する理由が見当たりません。逆に、「自分に似合う気がする」「本当に買ってよかった」「流行は過ぎたけど、まだ着たい」と思える洋服を残していくことは、年月が経つにつれて自分らしいクローゼットが出来上がるようで嬉しいものです。

前置きが長くなりましたが、ここでマイ・ヴィンテージとも呼べるいくつかのアイテムを紹介したいと思います。めまぐるしく変化する流行にも、自分の気まぐれにも動じないタフな洋服です。どれも5~10年ほど以前に買ったものなので、ヴィンテージというにはかなり新しいのですが、今後もクローゼットに残るであろう期待をこめて、そう呼びたいと思います。ファストファッションが台頭する現在の状況から考えると、よくぞ生き残ってくれたなあと感慨もひとしおです。

・J&M Davidsonのコートjmdavidson
今回紹介する中でも一番の古株です。毎年大事に着てクリーニングに出す、を繰り返して約10年になりました。
Aライン+オフホワイトのコートなので、ともすれば幼い印象になってしまいがちですが、襟や身ごろの切り替え、ポケットの形などが一風変わっていて、どこか未来的な雰囲気があるのが気に入っています。細身のパンツとよく合わせています。仕立ての良いコートは長く使えるということを教えてくれた一着でもあります。

・boy. by band of outsidersのジャケットbandofoutsiders
メランジグレーもツイードも好きなので、見るたびに嬉しくなるジャケットです。テーラード技術とトムボーイなスタイルが得意な、band of outsidersらしい一着だと思います。ちょっと大きめのブレザーを羽織るという着こなしがしたくて、普段よりワンサイズ大き目を買いました。今年はロングワンピースと合わせたい。
ちなみにデザイナーのスコット・スタンベルグは、ハリウッドの映画業界出身という異色の経歴の持ち主。映画『her』にも衣装提供をしていました。しばらくブランドを休止していましたが、2017SSコレクションにて再始動し、今後の動向にも注目しています。

・エリン フェザーストンのブラウスelin
ブラウスはとても繊細なアイテムだと思いますが、こちらは表地と裏地がシルク100%なので、特に扱いに気をつけています。
透け感のある袖が特徴ですが、身ごろはなんの飾りもなく、合わせるボトムスによって印象が変わります。どことなく70sのような、ボヘミアンな雰囲気があるのが気に入っています。
今年でしたら、ワイドパンツやサロペットと合わせるのが良さそうです。

falierosarti・ファリエロ・サルティのマフラー
わかりづらいのですが、ブロックチェックにレースがかかったような柄です。
柄物のマフラーは合わせるのが難しかったり、飽きてしまいがちですが、こちらはどの洋服にも馴染みが良く、重宝しています。
一見地味なのですが、切りっぱなしの端も小技が効いていて、気に入っているポイントです。

・オープニングセレモニー×ロダルテのスカートopningceremony
不思議なスカートだと思って、気になって購入してから早数年。紹介したアイテムの中では異色ですが、着る機会があまりなく、正直に言うと持て余していた一着です。でも、好きなので処分できなかったのです。
そして2016年秋冬。シワ加工、光沢、ダスティピンクの色合い、プリーツと今年らしい要素が多いので、ざっくりしたニットとタイツに合わせてたくさん着たいと思います。欲をいえば、もう少し長めの丈だったら良かったのですが。

・No.6のワンピースno6
花柄のワンピースにはいくつになっても惹かれますが、残念ながら似合わなくなったために手放したものも多いです。こちらは6年前に購入したのですが、その時はラップ型にベルトがついたデザインを大人っぽいと思っていました。今となっては、デザインがしっくりくるようになって良かったなと思います。
デッドストックの生地を使っているとのことで、レトロな雰囲気をそのままに、トレンチコートに合わせることが多いです。柄物は気に入ったものがなかなか見つからないので、なおさら愛着がわきます。

こうしてみると、実用性の高い洋服は摩耗しやすいので、着る機会が限られるお出かけ着が残った印象があります。また、買った時点で流行っていたとは思えないデザインが多いのも、面白いなと思います。不思議なもので、買った当時にはわからなかった自分の好みがはっきりすることもあります。(ちなみに私はデザインでいうと、ほどよくトラディショナルなものが好きです。)
「これから何を着たいのだろう」と手持ちの洋服と向き合うことで、過去と現在と未来の自分の姿を描く作業は、感傷的なものであると同時に、前向きなものだと信じています。そして、これからどのような洋服が自分に寄り添ってくれるのかが楽しみです。ビル・カニンガムが言うように、今日も私たちは洋服とともに、日々を生き抜いていくのですから。(”Fashion is the armor tosurvive the reality of everyday life.” -Bill Cunningham New York)
(Chia@skintmint)

【Beauty】it Ladyになりたいあなたに/OPERAの新作リップ

こんにちは、ガーリエンヌです。
突然ですが、お手頃価格&良質なコスメブランドOPERAをご存知でしょうか?
大ヒットマスカラ「塗るつけまつげ」のデジャブと同じく、イミュという会社が展開しており、実は1917年に日本で初めてスティック状口紅を開発したブランドでもあります。
そのOPERAが、この秋にリニューアル。ブランドコンセプトは「it Lady」。“現代を生きる魅力的な女性の気持ちに応える”という決意が込められているそう。
今回のリニューアルの象徴となる2つのリップシリーズの発表会にお邪魔してきました。
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ピンクをテーマに飾られた明るい会場は、とてもキュート&シック。
なんと、ケータリングフードもピンク! サンドイッチ、サラダ、マリネ、フルーツ、デザート、ドリンク(コーディアルの炭酸割)とピンク尽くしのメニューは、目にも舌にも美味しく、プレゼンテーションへの期待が高まりました。

今回リニューアル&新発売となるのは、「シアーリップカラーN」「リップティント」です。
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2つのリップに共通するのは、あえて未完成に仕上げたり、ラフな感じを最初から出したり、いかにもメイクした感じにならないように、透明感のある「ちょうどいいバランス」を実現すること。
「口紅はヌケ感が出しにくい」「老けた印象になりそう」と敬遠している方も多いのではと思いますが、OPERAのリップは口紅とグロスの中間くらいで、色と輝きがちょうどよく、イマっぽいなと感じました。
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カラーグロスを固めた独自処方の「シアーリップカラーN」は全10色、リップケアオイルをベースにしたルージュ「リップティント」は全6色を展開。バラエティ豊かなカラー展開は、どれを選んでいいか迷ってしまうほどです。
配られたプレスシートには、それぞれの色にキャッチコピーがついていて、それがとても素敵!
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たとえば「シアーリップカラーN」23番(サーモンピンク)は「romantic time(恋愛の最中)」、25番(コーラルオレンジ)は「sunrise kiss(朝焼けのキス)」、204番(ピュアコーラル)は「ericurean(快楽主義)」……というふうに、女性の気分やシーンに合わせた、おしゃれなコピーが印象的でした。
これらのコピーも、普段の自分では選ばないけど、意外に似合う色に出会える一助になるかもしれません。

質感としては、「シアーリップカラーN」のほうが透明感が強く、「リップティント」のほうがしっかり色づく印象です。とはいえどちらも「ほどよい色づき」に変わりなく、前者には美容液成分が、後者にはオイルが配合されていて、リップクリームなしでも平気なほど、するすると塗りやすいのが魅力。
どちらもコンパクトで、化粧ポーチの中で場所を取らないのも○です。
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個人的なお気に入りは「リップティント」03番アプリコット。チャーミングで軽やか、明るい色味が普段使いにぴったりです。「シアーリップカラーN」の24番ニュアンスピンクも、グレー系のメイクや洋服に合わせたい、少し青みがかったクールなピンクで気に入っています。

ラフだけど女っぽい雰囲気、メイクと美容が両立できること、その日の気分に合わせたカラーバリエ、手軽に試せるプチプラ価格……ちりばめられた要素に、現代的な「it Lady」らしさを感じます。
「シアーリップカラーN」(全10色・1200円)は現在発売中、「リップティント」(全6色・1500円)は10月14日(金)から、全国で展開されます。
詳細は公式サイトへ。
(@girliennes)

【Book】知らないはずの、知っていること/『夜の姉妹団』『明日は遠すぎて』

こんばんは、@vertigonoteです。先日の花園会パーティに遊びにきてくださった皆さん、はじめましての方もおなじみの方も本当にありがとうございました。インターネットの人たちがテーマを決めてみんなでちょっとおめかししてお喋りする会、定期的に今後も開催してまいりますので、どうぞお気軽にお声かけくださいませ。

さて、その花園会パーティでおしゃれのテーマにしたのが「夜空の姉妹団」。何かひとつ「夜空」を連想されるアイテムを、ということから星の柄物やブルーやブラック、光物アイテムなどを身に着けた女子集団の集合はなかなか見た目にも壮観だったのですが、このイベント名の元ネタはもちろんスティーヴン・ミルハウザーの短編「夜の姉妹団」。今度グッチーズ・フリー・スクールさんで今作を映画化した『シスターフッド・オブ・ナイト 夜の姉妹団』作品の日本初上映も決まっているので楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?

夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇今作が収録されているのは外文読みの皆さんの間で名アンソロジーと名高い『夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇』(柴田元幸訳・編)。わたしも友人に勧められて最近初めて読んだのですが、説明のしにくい味(でも何か懐かしい気もする)しか入ってないお菓子の箱みたいな短篇集で、とても楽しい読書体験でした。

お気に入りを3作あげるなら、やはり表題作のスティーヴン・ミルハウザー「夜の姉妹団」。
「存在を他言しない」「誰が一員なのか、何をしているのかは完全に部外者には秘密」という女子学生たちの夜中の謎の集会が明らかになったことで、一体何をしているのか、と街の人たちの間を駆け巡った噂がコミュニティをパニック状態に陥れるのですが、どんなに波紋が広がっても少女たちは「秘密」を守り続ける。何も言わずに、ただ抜け出して、夜に集まり続ける。わかろうとするひとたち、覗こうとするひとたち。わからないままにしておけない人たちから「わからなさ」を守ることで守ろうとされているものが何なのか、ここでは全く言語化されません。そもそも女の子たちが明確に目的が何なのかも認識してないままにそうしているように見える。無意識に広がっていく靄のような、言語化されない曖昧さ、でも必ず存在している「それ」。「それ」を知りたいという願望の暴力性/知っているという傲慢に気づかない者には決してわからない「それ」。寓話めいた話なのですが、排斥されるほどに強化される「それ」について、私も確かに知っている……と思える物語。

mazel収録作のなかで私が一番好きだったのはレベッカ・ゴールドスタインの『シャボン玉の幾何学と叶わぬ恋』。“知の得意分野”が全く違うユダヤ系ファミリーの祖母・母・娘の三代のスケッチである今作では、「わかりあえないけど仲はいいし、なんのかのとつながっている、でも心の内側のささくれは知らない」という温度と湿度が絶妙な一編。母娘それぞれが互いの分野「?」を抱えた不完全な同性の家族、3人とも「収まりきらない」タイプの娘だった3人が、互いに向けあう「愛」だけでもない、どうにも複雑な感情。そこからそれぞれの心にしまわれた「恋」から浮き上がってくるのがとても好みでした。祖母サーシャの代は情熱で因習を破ることに費やしてきた、そのサーシャからするとまじめすぎる地味な演劇・文学畑の娘クローイ、彼女からすると不思議で仕方ないシャボン玉を研究する数理的思考の娘フィービー。それぞれ知らぬ想いがファミリー・ヒストリーの中には眠っていて、わずかなセンチメントがシャボン玉のように虹色に光る瞬間が克明に捉えられるとき、1ミリも自分と重ならない人たちの話が「記憶のどこかにあったかのように思える」瞬間がありました。残念ながらこの作品を原型にした長編小説“Mazel”はじめ他の作品は未邦訳のようなのですが、邦訳される日がきたらぜひ読んでみたいと思います。

もう1作を選ぶなら奇妙で哀しいジェームズ・パーディ 『いつかそのうち』。かつての家主でありただ一人自分を愛してくれた男を探すために、ポルノ映画館に入り浸る刑務所帰りの男が語る奇妙な話です。届かないものを希い届いたかと思うと遠のくということを「名前」を通じて象徴的に描いていて、惨めなんだけど不思議な高揚感と「これでいいのだ」感があって、なんだかとてもせつなくて、そして可笑しくて痛ましくて、どうしようもない。この「どうしようもなさ」というのは私がフィクションにおいてとても好きなもののひとつですし、この感情が描かれている場面に出会うときキャラクターを急に近しく感じるのです。(我ながら暗い)

こうしてみるとやっぱり私はこうした小説の中の「知らないはず/自分の人生ではおそらくありえないはず」の物語に「知っているけど、忘れていた」自分の感情が呼び起こされ、描かれる世界と共振する瞬間に胸を打たれているのだと思います。そういえば今年いちばん大泣きした短篇集、アディーチェ『明日は遠すぎて』はまさにそういう作品でした。まあ私の場合We Should All be Feministsでも知られる大好きな作家、ナイジェリア出身のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの小説を読んで泣かなかったためしがないのですが。

adichie_chimamanda_download_2これほどに彼女の小説に心を引き絞られるのは、私の場合、ページの間から聞こえる「遠く離れた場所で全く異なる信仰や異なる世界観や異なる時代の中で生きている、一見私と共通項なんてなさげな彼や彼女たち」の声が、完全に私が知っている居心地の悪さや寂しさといった感情、できれば忘れたいと思っている感情とどうしようもなく共鳴してしまうから、なのでしょう。煮詰まった人たちの怒りに近い熱量を持った寂しさ、わたしが望んだのはこれじゃなかったのにというままならなさへの慢性的な心の痛み、それでも喪われることがない前を向こうとする意地。「知らないはずの、知っていること」がいつもこれ以上ないほどに明瞭に語られている――それが私がアディーチェの小説を読むときにいつも感じることです。

明日は遠すぎて今作には対になるように思える短篇がいくつか収録されていて、何度もハッとする瞬間がありました。「鳥の歌」ではたくましくビジネスシーンを駆け抜けるラゴス・ガールの「現代性」がある種の裕福な男の人たちの愛人というかたちで搾取され、別のタイプの女性から憎悪を受けることもわかっているのに別れることができない彼女たちの現実が描かれます。では何故彼らが彼女たちを愛人にせずにいられないのか、そのヒントは別の短編「シーリング」にあって、学生時代に輝いていた元彼女のこと、そして既にもう遠い場所にいる彼女からの手紙に動揺して、あの頃の回想を繰り返し続ける「今は何不自由のない生活を送っている」男、という存在が見えてくる。
あるいはアメリカで暮らす大学院生の女性が「祈ろう」と現れた同じアパートに住む青年と関わって互いの痛みの理由を差し出し合ったとき信仰の根源に触れる美しいエピソード「震え」と、ある種の階級であるがゆえにひたすらに傍若無人だった兄が収監されて変わっていく様子を描き、ナイジェリアの腐った組織の現実と希望を行き来させる「セル・ワン」。これも全く異なる話なのに、不思議なくらい「同じ血」が流れていることを感じられる2作品でした。いくつかの作品が折り重なっていくと、それぞれの物語に描かれる世界はぐんと奥行を増す。

最後におさめられた「がんこな歴史家」には本当に胸がいっぱいになりました。気性激しく逞しく、惚れた男を愛し抜いて一緒になって、流産を繰り返しながらひとりで子どもを産んで育て、時代時代の変遷とともに「私の人生」を生きるめちゃくちゃたくましいおばあさんの物語です。パーソナルなものとして語られていた物語が、「受け継ぐもの、受け継がれるもの、わたしがわたしであること、いつかそれは物語になる」という「大きな物語」にラストの数段落でぐわっと飛翔する瞬間!私は彼女(たち)の語ること以外に何も知らないけれど、確実にその声と響きあうものは自分の中にあるという確信とともに、「私の物語」が「あなたの物語」として受け渡され、今、私の元に届いたんだということに落涙せずにいられませんでした。

narrative-794978_960_720私は読書においてこうした「(感情移入はあまりしないのに)キャラクターの声に自分の中の何かが共鳴して忘れていた感情が呼び覚まされる」のがいちばんぐっとくるポイントなのですが、もちろんこのポイントは人によって、また作品によってまったく違うことでしょう。描写のディテールを楽しみ、言語感覚や文体の気持ちよさを楽しむのも読書の楽しみですし、プロットそのものに衝撃を受けて射貫かれるのも楽しいもの。編者のセレクトの妙を味わいそれぞれの作品の「異」を楽しみながら新たな作家に出会うきっかけとなるアンソロジーも特定の作家の「世界の見え方」を多角的に堪能できる短篇集も、じっくり読める長編も、それぞれにいいものです。
いずれにせよ、9月になり読書の秋の到来です(まだまだ秋っぽくないですけども)。本の中でなら目に見えないところにだっていける、予想もしなかったものに気軽に心を重ねられる。あなたにも私にも、お気に入りの素敵な1冊が見つかりますように。明日も善き物語を! (@vertigonote)