わたしの好きな少年少女 映画編

はじめまして。新しく花園magazineの一員となったズバリといいます。今日はこどもの日に先駆けて(だいぶ先ですが)、子どもたちが活躍する映画を紹介します。

■旧作邦画のなかの子どもたち

今とは違う日本をみられるのが楽しい旧作邦画。子どもたちの暮らしぶりをみるのも一つの楽しみになっています。

025まずは1937年に公開された「風の中の子供」。無実の罪で逮捕された父親の帰りを待つ善太と三平の兄弟を描いています。ここで描かれるのは、父親がいなくなって悲観にくれる二人ではなく、それでもたくましく遊ぶ姿。ターザンごっこやベルリンオリンピックごっこや川遊びをしながら父親の帰りを待ち続けます。二人が離れ離れに暮らさざるを得なくなる中盤でも、彼らは寂しさを遊びの中で表現します。特にお兄ちゃんの善ちゃんがとった行動には号泣必至。

この作品が公開された年は日中戦争が勃発した年でもあります。戦争が本格化する前の子どもたちが幸せだった最後の瞬間を描いていると言えるかもしれません (実際、本作に出演した子役には従軍した人もいます)。

24「ノンちゃん雲に乗る」は1955年に公開された作品。優等生でいい子な女の子、ノンちゃんが雲の上の不思議な世界で過ごすことで、少し大人になるというファンタジー。ノンちゃんのお兄ちゃんが那須与一ごっこで遊んだり、ノンちゃんが学校の授業でオルガンに合わせて踊ったり。「風の中の子供」同様、シニア世代にあたる人たちの子供時代を映像として観られる楽しさが詰まっています。ノンちゃんを演じるのは美少女の元祖、鰐淵晴子。ヴァイオリンとバレエを披露するシーンもあり、女の子の憧れを詰め込んだような存在ですが、ノンちゃん自身は親しみのもてるキャラクターになっています。お母さんを先日亡くなった原節子が演じています。

この2作品はどちらもソフト化されているので、善太と三平、もしくはノンちゃんと同世代の親戚や知り合いがいる方は、一緒に観てみると面白いかも。

■児童書原作映画の子どもたち

子どもと動物、この2つがセットになった映画って「あざとい」とか「泣かせにきてる」という理由で敬遠される方も多いはず。でもあざとくてもいいじゃん!だってかわいいじゃん!と言いたくなる作品がこちら。

sub02_large「犬どろぼう完全計画」はアメリカの児童文学を韓国で映画化した作品。父親の破産により家を失った女の子が、家を買うために立てた計画はタイトル通り、お金持ちの犬を盗むこと!主人公ジソは友人と弟の力を借りて犬をめぐって奔走します。泥棒はだめなのですが、彼らなりにできることをしようとする姿にはつい、応援したくなるものがあります。脇を固める大人たちのキャラクターも印象的。子どもっぽくみえるお母さんにも、冷淡にみえるお金持ちのおばさんにも、事情があるということ。子どもたちの計画に理由があるように、大人たちにもちゃんと理由があるということが描かれています。

子ども向けの映画になくてはならないアイテム、ピタゴラスイッチも出てきますし、セレブ犬のジャック・ラッセル・テリアもきちんとかわいい。欧米の児童書原作映画の系譜をなぞらえつつ、自国の映画として仕上げる韓国映画はやっぱり面白い!

5024688_ori「きいてほしいの、あたしのこと ウィン・ディキシーがいた夏」は児童書原作映画「テラビシアに架ける橋」でも好演したアナソフィア・ロブ主演のアメリカ映画。母親が小さい頃に家出し、父親ともよそよそしい関係、引っ越したばかりで友達もいない女の子、オパールはウィン・ディキシーと名付けたノラ犬を育てることに。オパールはウィン・ディキシーを通して、町の人々や父親が自分と同じように悲しみを抱えていることを知ります。家出した母親に対する好奇心への折り合いの付け方もオパールを決して子ども扱いしていない。世の中の悲しい部分を隠さないところが素敵だなと思える作品です。ウィン・ディキシーも笑顔がかわいいというところ以外に特別なところがない、あくまで普通の犬というところもいい。

アナソフィアは「テラビシアに架ける橋」と同じように、賢くスポーティな女の子を演じています。元気で健康的だけど繊細なアメリカンガールという役柄がはまっています。小さい頃のエル・ファニングも出演していますが、リアル天使で悶絶すること間違いありません。

■よく知らない遠い国の子どもたち

original「ウィ・アー・ザ・ベスト!」は1980年代を舞台にしたスウェーデン映画。ボボとクラーラはパンクロックが大好きな13歳の女の子。ボボは男の子みたいに短い髪、クラーラはモヒカンスタイルと学校でもちょっと浮いた存在。そんな二人は周りの大人や自分たちの環境に対して不満がいっぱい。楽器も弾けないのにバンドを組んで、日常の不満をぶちまけることに。ギター上手だけど「パンクなんて地獄行き」と言われるような家庭で育ったヘドウィグも仲間にして、ストックホルムの街を駆け回る姿が生き生きと描かれます。スウェーデンは児童文学の宝庫とはいえ、実際には遠い国。それでも彼女たちの姿に中学生時代の自分を見出すことができる人は多いはず。どこの国の子も同じだな、この子たちと友達になれそうだなと思わせてくれます。客観的にみると、この子たちはごく普通の中学生なのに、彼女たちが自分たちのことを「私たちは最高!」と言っていることにも勇気づけられます。

本作を撮ったルーカス・ムーディソンは「ショー・ミー・ラブ」や「リリア4-ever」でも10代の少女を主人公にしています。その描き方はヒリヒリとした部分もありますが、どれも嘘がなくて誠実。「ウィ・アー・ザ・ベスト!」は今のところ、映画祭で上映されたのみ。東京国際映画祭ではグランプリを受賞しているくらい評判だったので、一般公開&ソフト化が望まれます。

32660_oriイラン出身のマルジャン・サトラピによる自伝的なアニメーション「ペルセポリス」では、主人公のマルジの成長がユーモラスに描かれています。マルジが成人してからのエピソードも描かれるので、今回の記事に入れるか迷ったのですが、少女時代のマルジは絶対に友達になっておきたいタイプです。ゴジラやブルース・リーの映画が大好き、ビージーズやマイケル・ジャクソンを聞いて育ち、‘PUNK is NOT DED’ と書かれたTシャツを着るような女の子なのだから、仲良くしたくなってしまいます。マルジが育った70年代のイランは革命が起こって、国内が混迷状態にあった時期。そんな中でも私たちと友達になれそうな子どもたちがいるという当たり前の事実をこの映画から教わりました。

スウェーデンやイランのように遠い国でも私たちが知っていると思える子どもたちがいると思うと、もうよく知らない国ではなく、あの子が住んでいる国と思えてきます。

以上、私の好きな子どもたちが出てくる映画でした!子どもの存在が光る映画は新旧、国内外問わずたくさんありますし、映画の中の子どもたちに少し目を向けると学ぶことが多いかも。

 

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