【Music】【Movie】【Book】Message in a mix tape/「ミックステープもの」3選

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こんにちは、Chia@skintmintです。
古くは『ハイフィデリティー』から、最近では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』まで、「ミックステープ」が登場する映画や小説はいつだって音楽好きの心を捉えて離しません。2010 年前後にはミックステープが登場する作品、それも青春や恋愛を題材に描いたものが増えた印象。
ノスタルジックでほろ苦いストーリーともぴったりな、音楽まで一緒に堪能できる三作品をご紹介します。

Evernote Camera Roll 20150511 181356映画『君に逢えたら!』(原題”Nick and Norah’s Infinite Playlist”)
元カノのトリスを忘れられず、脈もないのに自作のミックスCD を送り続ける主人公のニック(マイケル・セラ)。捨てられたCDを拾ったのは、トリスの友人で音楽好きのノラ(カット・デニングス)。二人が出会って意気投合し、お目当てのバンドのシークレットライブを観ようと深夜のニューヨークを駆け回るというストーリーは、まさに青春の一ページを切り取ったよう。音楽で繋がる二人の恋愛は、作中に流れるVampire Weekend、Takka Takka、Devendra Vanhartなどのインディーロックに彩られます。冒頭のシーン、好きな女の子にはっきり気持ちを伝えるのは恥ずかしいけれど、ミックスCD を介して繋がろうとするニックの姿は、痛々しくもどこか微笑ましく思えます。ミックステープの文化が現在の若者にも浸透しているのを感じられる一本です。

Evernote Camera Roll 20150511 181355小説『ラブ・イズ・ア・ミックステープ』
著者のロブ・シェフィールドの実話に基づいた小説。深夜のブルックリンで始まる回想録は、タイトルどおり愛と音楽を軸に彼の半生を描きます。「※壁の花(ウォールフラワー)だった」という僕が、レネという一人の女性との出会いから現在までを、自作したミックステープの収録曲の一覧と共に辿っていきます。特筆すべきは、そのミックステープの選曲! PavementNirvana といった同時代の90 年代のバンドはもちろん、新旧ジャンル問わないバラエティー豊かな曲目は実際に聞いてみたくなるものばかり。後で知ったのですが、著者の職業はローリングストーン紙のライターというので、思わず納得してしまいました。同じ経歴を持つ、キャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニーレインと』が好きな方にもオススメです。
※俗語で、シャイで目立たない、彼や彼女がいない人の意。

Evernote Camera Roll 20150511 1813552小説”Eleanor & Park”
残念ながら日本ではまだ翻訳されていない作品ですが、『きっと星のせいじゃない』のジョン・グリーンが推薦文で書いた通り、「若くて恋をしていることがどんな感じだったかを思い出させてくれる」瑞々しいカミング・オブ・エイジ(青春期)小説。いつもヘッドホンで音楽を聴いている、米韓ハーフのパークと、赤毛で個性的なファッションに身を包んだ新入生のエレノアがスクールバスの中で出会うところから始まります。実はエレノアは家庭環境が複雑なのですが、読むほどにその現実が明らかになっていきます。マイノリティーで周囲とは馴染めず、行き場のない二人が、コミックブックやインディーロックを通じて、閉ざされたコミュニティーとは別の居場所を見つけていく様子にぐっときてしまいました。ビタースウィートなストーリーを、Joy DivisionThe Smithsの名曲が一層引き立てます。

贈る側と贈られた側の様々な思いが詰まっている一本のテープは、それだけでストーリー性があり、映画や小説の中でも生き生きとした存在感を放ちます。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の主人公、ピーター・クイルが肌身離さなかったミックステープのエピソードは、当初の設定にはなかったらしいですが、今ではあのくだりがない『ガーディアンズ〜』が想像できないほどです。
音楽の力を信じる監督の粋なはからいですね。

楽しい時も辛い時も側に寄り添ってくれる音楽。そういう意味で聴き手が編集をするミックステープは、まさに人生のサウンドトラックと言えるかもしれません。デジタル音源が主流の現代でも、この文化は廃れないで欲しいと密かに願うばかりです。
(Chia)

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