【Comic】【Movie】帝政ロシアの誘惑―大和和紀「クレムリンの丘に眠れ」、映画『アナスタシア』

こんばんは、@ngsm148です。

個人的な話になりますが、幼い頃から歴史が好きで、大学も迷わず史学科に進みました。 「どこの国の歴史が好きなの?」と聞かれると、フランスもイギリスも好き、1920年代のアメリカにも憧れるし世紀末ウィーンも大好き!正直どこが一番なんて決めることはできません。

でも、そういう単純な好き嫌いとは別に、昔からどうしようもなく惹かれてしまうのが革命前後のロシアなのです。莫大な富と権力を持つロマノフ朝の華麗なイメージ、寒々とした雪景色、革命前後の不穏な空気。その全てにどうしようもないほどロマンを感じてしまいます。

今回はそんな混迷期のロシアを舞台にした作品をご紹介します。

ライオンたちの城

 

まず1つめは、『はいからさんが通る』や『あさきゆめみし』で知られる大和和紀先生の作品から。

単行本『ライオンたちの城』に収録されている中編作「クレムリンの丘に眠れ」は、まさに私のロシアへの憧れをそのまま描いたような作品です。

コサックのもとで育てられた捨て子の少女レーナは、ある日モスクワからやってきた黒ずくめの男に、自分が15年前に行方不明になった皇帝の娘であることを告げられます。自分が何者なのか以前から疑問を持っていたレーナは、男に連れられてモスクワへ行き、皇帝の娘としての教育を受けることになります。しかし、レーナを連れ出した男、アンドルウは実は革命を企てる反逆者でレーナを利用して皇帝に近づこうとしていて…。

これぞ少女マンガというような大きな瞳、レースやリボンで彩られた衣装。 最近の漫画ではあまり見られないような贅沢でとびきり美しい絵柄で描かれる歴史ロマン(もちろん恋愛要素あり!)は、ベタな部分も多いけれど、かつて少女だったものとして胸をときめかせずにはいられません。

連載物ではないため、大和先生の作品の中でもあまり有名な作品ではありませんが、舞台設定やストーリーの秀逸さは、まさに隠れた名作ということができるでしょう。

 

「クレムリンの丘に眠れ」を読んで、すぐに思い出したのが1997年に公開されたアニメ映画『アナスタシア』

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革命で唯一生き残ったと噂された、ロマノフ朝最後の皇帝ニコライ2世の娘アナスタシアの伝説を題材にした作品です。

孤児院育ちの娘アーニャが詐欺師のディミトリによって皇帝の娘アナスタシアに仕立てられながらも、自分の正体を見つけようと奮闘するストーリー。

絵柄の雰囲気とミュージカル仕立てであることから、ディズニー作品と間違われることが多いようですが、20世紀フォックスによる配給作品です。

初めは代役にすぎなかった少女が実は本当の皇帝の娘で、しかも自分を利用しようとしていた男と恋に落ちるというあらすじは「クレムリンの丘に眠れ」とほとんど同じ。

もちろんこの設定だけでも大好きなのですが、この作品のさらなる魅力は、音楽の美しさにあります。

革命で家族と離ればなれになった少女の心細さと、滅びゆく王朝の最後のきらめきを感じさせる歌詞。切ないながらも美しいメロディ。ロシアの雪景色に重なってなんともいえない魅力を放っています。

そして、なによりも印象的なのが、劇中で何度も繰り返しながれる、アーニャとおばあさまの思い出の歌。

実は私、幼い頃観て以来この映画の大ファンで、高校時代の自由研究で研究テーマにロマノフ朝やアナスタシア取り上げたほど(でも結局最後まで完成できなかった…)。

よく姉妹でこの歌を口ずさんでは、アナスタシアごっこをしていました。

 

「クレムリンの丘に眠れ」も『アナスタシア』も、普通の女の子が実はお姫様だったというベタなシンデレラストーリー。 それが革命前後のロシアを舞台にした途端、特別な輝きを持ち始めるように思えるのは、やはり革命という悲しい出来事やロシアの厳しい寒さがどことなく、人物に影を落としているからでしょうか。

ただ、それだけで終わらせたくないのが2作品ともなんらかの外からの働きによって動き出したにせよ、少女たちが自分で自分の基盤を見つけるために、強い意志を貫いたということ。

いつの時代にもそうした人は必ずいるものだと思います。今回紹介した2作品にそうした要素が目立つのは、変動期のロシアという非常に不安定な時代設定であったからでしょう。

時代の狭間で強く生きる人々がいる、そんな歴史を舞台にしたストーリーを今後も大切にしていきたいと改めて思いました。

 

 

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