【Art】11月はあこがれの国/晩秋の美術館お出かけメモ

こんばんは、@vertigonoteです。11月に入り、急に朝晩の空気が冷たくなってきました。夏の延長のようなあたたかい日々が続いた秋も終わりが来て、そろそろ「晩秋」という言葉が似合う日々。こんな季節はなんだかいつも少し疲れてきて、少しさみしい。ついついお出かけも億劫になってくるかもしれませんが(私がそうなんです……)こんなときだからこそ、後回しにしていたらどんどん見たいものを見逃してしまう可能性が!ということで、今夜は私的なメモを兼ねて現在開催中の秋冬に見逃したくない、なんとなく「わたしのあこがれ」が見られそうな美術展情報をまとめました。

<映画をめぐる夢の世界へ>

■「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」(~12/14)
■京都市美術館「野口久光 シネマ・グラフィックス 魅惑のヨーロッパ映画ポスター展」(~12/7)

ジャック・ドゥミ、映画の夢 野口久光

現在開催中の展示では、この2つはクラシック映画ファンには特に外せないものでしょう。首都圏では『シェルブールの雨傘』(1964年)、『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)などで知られる、ハードコアなまでに夢見がちな世界の幸福感と鮮やかな画面設計にくらくらしてしまいそうなフレンチ・ミュージカルの魔術師、ジャック・ドゥミの回顧展が東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中です。関西方面では戦前から日本で洋画ポスターを手掛け、そのビジュアルとともに名作を記憶させた日本を代表するグラフィックデザイナー野口久光(1909-1994)の世界を堪能できると評判の京都市美術館「野口久光 シネマ・グラフィックス 魅惑のヨーロッパ映画ポスター展」にも足を運びたいところ。洋画が「舶来の夢」を見せてくれていた時代の記憶を体感したいものです(東京には巡回しないのかしら…)。

<おなかいっぱい、濃い!美術展>

■国立新美術館「チューリヒ美術館展—印象派からシュルレアリスムまで」(~12/15)
■国立西洋美術館 「フェルディナント・ホドラー展」(~1/12)
■パナソニック 汐留ミュージアム 「ジョルジョ・デ・キリコ -変遷と回帰-」(~12/26)

「真実、第二ヴァージョン」

フェルディナント・ホドラー≪真実、第二ヴァージョン≫

チューリヒ美術館の誇る20世紀美術総ざらい!ということでものすごく「濃い」と評判の「チューリヒ美術館展—印象派からシュルレアリスムまで」。「すべてが代表作」といわれるほどに、これまで門外不出だった(少なくとも日本では見られる機会がほとんどなかった)名品がこれでもか!とみられるようなので、まずは「押さえておきたい」案件。こちらの展示にも含まれているパラレリズムの異才ホドラーについてはちょうど『フェルディナント・ホドラー展』も開催中ですので、併せてみておきたい。また、シュルレアリスムの大物たちの展示が多いことでも今回のポイント。11月20日までは特設カフェも開かれるようなので、せっかくなら立ち寄りたいものですね!

ジョルジョ・デ・キリコ 《古代的な純愛の詩》

シュルレアリスムといえば、汐留ミュージアムで開催中のジョルジョ・デ・キリコの“不安な世界”も是非とも堪能したいもの。遠近や昼夜が混在した平面に幾何学的な「人のような何か」や廃墟のような街が描かれる、あのキリコ・ワールドに長らく浸っていると相当こちらも気持ちが不安定になりそうな気がするのですが、ときにはそんな異世界への旅も楽しみたい。

<復活!VIVA庭園美術館!>

■東京都庭園美術館「アーキテクツ/1933/Shirokane アール・デコ建築をみる」(~12/25)

《正面外観》 (松井写真館/ 1933年頃)

この秋最も楽しみなことのひとつ、それは大好きな東京都庭園美術館が長い改装期間を経て11月22日に復活すること!独特のロマンティックなアイテムに拘った企画や建築物としてめぐるだけでも楽しい“洋館”としてのときめきがあふれる場所が、また戻ってきます。創建当初の姿に近づいたという旧朝香宮邸に加えて新館も登場。ホームページではカウントダウンが始まっています。記念すべき第一弾の企画は、まさにこの洋館誕生秘話、アール・デコ建築が生まれるストーリーを展示として展開する「アーキテクツ/1933/Shirokane 」庭園コンサートも企画されているようですので、まだ訪れたことがないという方も、一度足を運んでみてはいかがでしょう?

 

<会期終了間近!要チェック案件>

■松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて/ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム(~11/24)

グリゴーリー・ボリーソフ、ニコライ・プルサコーフ『法と義務/アモック』

グリゴーリー・ボリーソフ、ニコライ・プルサコーフ ≪法と義務/アモック≫

 

世田谷美術館は面白くて見ごたえのある展示が多くて好きな美術館です。駅から遠いのだけは難ではあるのですが、それでも行きたくなるような面白い企画がたくさん。今回もファッションブランド「BA-TSU」のデザイナー松本瑠樹(1946-2012)の世界的なポスターコレクション展とのことなのですが、多くの未公開作品を含む、展示数約180点というボリュームはなかなかの見ごたえになりそう。プロパガンダという究極のデザインがそれゆえのモダンとそれゆえの可笑しみを含んで強烈なインパクトで視覚を殴りつけてきそうです。まだまだ会期終了まで時間ありそう…と思っていたら11月24日(月・休)まで!あと2週間ほどになっていたので、時間を見つけて行ってみたい。

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会期終了が近いものでは11月25日まで日比谷図書文化館で開催されている『林忠彦写真展―日本の作家109人の顔』もちょっとおすすめ。30~40分ほどあればひととおり見られるコンパクトな展示で300円と安価ですので日比谷界隈に来られる折にでもさらっと見ていかれると少し得した気分になると思います。コンタクトシートが見られたり、無料の小冊子があったりするのも嬉しい。作家という被写体の面白さを感じられます。

こうしてチェックしているうち、さらに次々と見たい展示がやってきます。名古屋ではこの夏森美術館で見てとても楽しかった『ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界』の巡回展が11月8日から始まっています。そして12月に首都圏には京都国立近代美術館で開催中のホイッスラー展が、横浜美術館に巡回で回ってきますね。ああ、楽しみがたくさん!

00083187とはいえ、正直今の気分で見たい絵画とそのときやっている美術展がズレて、なかなか気分が乗らないことも多い私。しかし、そうしたときにこそ「ちょっと気になる」くらいの展示に足を運んでみるチャンス。そのときに「まあいいか」と逃して、あとからその画家や特定の時代のカルチャーを好きになって後悔したこともこれまでどれだけあることか……というわけで、この秋冬は貪欲にお出かけしていきたいと思います。と自分に言い聞かせているうち、また夜が更けていく。来週こそ何か美しいものを見に行こう……!(@vertigonote)

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