【Music】クラシック版・冬のサウンドトラック!(by鷲尾仁美)

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こんにちは、@vertigonoteです。
北風吹きすさぶ1月。寒い日々が続いていますが、そんな本日は花園会classic支部の現役音大生、とってもチャーミングなクラシック・ソムリエール、鷲尾仁美さんにご寄稿いただいた「冬のサウンドトラック」をお送りいたしましょう。
普段クラシック音楽をあまり聴かない人も、クラシック・ファンの皆さんも、こちらの企画のように「私なら、こんなときにこんな曲をかけたいな」あるいは「この曲にはこんな情景が似合いそうだな」なんて考えていくのはきっと楽しいのではないでしょうか?
素敵な音楽の響きが、冬の景色を彩っていく。冬の澄んだ空気のなかで、そんな安らかに幸せなひとときを、あなたに。

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冬の景色に、素敵なクラシックを添えて。
Presented by Hitomi Washio

はじめまして、鷲尾仁美です。
突然ですが、みなさんの携帯音楽プレーヤーの中にクラシック音楽は入っていますか?
カフェに流れるクラシックの曲に心が落ち着いた経験はあっても、自らCDを手に取ったことはないという方もいるかもしれません。
興味はあるんだけど・・・という方に向けて、今回は“冬のサウンドトラック”として、いまの季節に似合う楽曲をご紹介したいと思います。
あなたと曲のあいだに、素敵な出会いがありますように。

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♪ 新しい年を祝う曲

■グリーグ/組曲「ペール・ギュント」から”朝”

ノルウェーの作曲家グリーグが、同名の劇の付随音楽として作曲した作品です。鳥がさえずるようなフルート、曇りのない空にきらめく、柔い朝日を想像させるストリングス・・・聴いているだけで、まぶたに情景が広がっていくよう。
劇の主人公ペールは、放蕩を重ねる身勝手な男。そんなペールが、新天地で心機一転、新たな人生を誓うシーンに、この曲は流れます。新年が明けてもう2週間ほどが経ちました。寝正月気分がなかなか抜けない人も、息つく暇もないほど忙しい人も、ペールのようにいま一度。北欧からもたらされた清々しいサウンドを胸いっぱい吸って、まっさらな気持ちに立ち返ってみてはいかがでしょうか。

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♪ ウィンター・スポーツがしたくなる曲

■ショパン/エチュード Op.10-8

ウィンター・スポーツのBGMといえばJ-POP!というイメージかもしれませんが、そこに敢えてショパンをチョイス。エチュードとは、日本語で”練習曲”。それまでは無味乾燥な曲が多かったジャンルですが、ショパンはそこに芸術的要素をふんだんに盛り込み、素晴らしい音楽を作り出すことに成功しました。ピアニストたちはお陰で、指の訓練をしながらイマジネーションを膨らませることができるように。それは聴き手もおなじ。
鍵盤を軽快に滑るスキーヤー!途中、曲調が少し暗く翳るところは天気が悪くなっちゃったのかな?転んでばっかりでうまく滑れず悶々としているのかも。ほら、想像しているだけで、雪山に飛び出したくなってきます!

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♪ 雪景色が似合う曲

■ドビュッシー/「子供の領分」より”雪は踊っている”

降っていたり、積もっていたり。雪の様子を表したクラシック音楽作品は、じつはいろいろあります。その中でもこの曲を選んだ理由は、作曲者ドビュッシーのお茶目な”仕掛け”にあります。
この曲の楽譜を見ると、ほとんどの箇所で、ひとつひとつの音がばらばらになるように書かれています。それはさながら雪が降っている瞬間を写真に収めたよう。そしてその記譜通りに演奏すると、指先から繊細に雪を降らせているかのような動きになり、ピアニストがお空の神様のようにも見えてきます。聴いて、見て、感じて。どこからでも雪を感じさせるドビュッシーの魔法がここに。

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♪ 冬の星空を思わせる曲

■ラヴェル/弦楽四重奏曲ヘ長調 1、2楽章(14:34まで)

冬の夜空は、夏よりも空気が綺麗になるため空の視界がよくなり、星も冴え冴えと見えるようになるので美しいのだそうです。
ラヴェルは楽器の音色を組み合わせ、人が今まで聴いたことのないような美しい和声を生み出すのが得意でした。「亡き王女のためのパヴァーヌ」「高雅で感傷的なワルツ」―――彼が名付けた曲のタイトルは、美しさのなかにどこかダークな香りが漂います。彼は今回4種の楽器を操り、神秘的な調べを語らせました。やわらかく浮遊する1楽章の不思議な音の進行は、まるで天いっぱいに広がる冬の星座を見ているかのよう。2楽章の、弦の跳ねる様子は星たちのまたたきに見えてきます。

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♪ あたたかいお部屋がよりあたたかくなる曲

■ブラームス ヴァイオリンソナタ第3番2楽章

北風に凍えながら道を急ぎ、やっとお家に帰ってきたあなたに、おかえりなさい。あったかいレモネードと共にブラームスを贈ります。ヴァイオリンの穏やかで力強い響きと、それを包み込むようなピアノ。まるで広いお風呂に浸かったときのように、寒さにこわばっていた肩の力がゆっくりと抜けていくことでしょう。
今回ピックアップしたのは2楽章だけですが、全楽章通して聴いてみると、あることに気付くはずです。実はこのヴァイオリンソナタは、2楽章以外はすべて暗く物哀しい雰囲気。4楽章なんて、吹きすさぶ風のような激しさ!窓から見える景色が吹雪いているほど、家の中のあたたかさに幸せを感じる。それに気づいたとき、この2楽章はますます暖かく輝いて聴こえるのです。

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鷲尾仁美(わしお・ひとみ)PROFILE
2014年4月まで音楽大学生。人生の相棒はピアノとプリン。生活スタイル、好きなアーティスト、好きな色などを考慮し、一人一人にぴったり合うクラシック音楽を提案する”クラシック音楽ソムリエール”として活動すべく、現在修行中。動物占いはペガサスの91年生まれで関西人。

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