【Movie】昭和のニッポン・ガールズ・ムービーはいかが?Part1

みなさん、こんばんは。@vertigonoteです。
さて、ガール映画大好きな私がここ数年楽しんでいるのが昭和のキューティー映画を名画座に見に行くこと。神保町シアター池袋新文芸坐には大変お世話になっているのですが、行くたびに感じるのが「ね、年齢層が高い……そして男性率が高い……」ということ。いや、それは決して悪いことではないのですが、とびきりキュートでお転婆な女の子たちが大騒ぎする映画や楽しい音楽映画、ロマンティック・コメディや今見ても新鮮な働く女性映画の数々は、きっと公開当時には10代~20代女子たちが夢中になったとおぼしきものなので、これは是非花園magazineを読んでいただいてるガールズにも興味を持ってもらえたらいいな!と思っているのです。ということで、このシリーズでは何作か昭和のニッポン・ガールズ・ムービー!として推薦作をご紹介していきたいと思います。

てなわけで、Part1となる今回は、つい先日私が見てきた神保町シアターの「ひばり・チエミ・いづみ 春爛漫!おてんば娘祭り」(タイトルからして最高!)で上映された岡本喜八監督の「結婚のすべて」と「若い娘たち」という日本のクラシック女子映画2本をご紹介いたしましょう。いずれも1958年の白黒映画で、若くてピッチピチでチンマリした顔にパタパタした軽快な動きがキュートな雪村いづみが最高のコメディエンヌぶりを見せています。

「結婚のすべて」は恋愛結婚に憧れる劇団員でモデルの女の子(もちろん雪村いづみ)が、お見合い結婚でボンヤリした旦那と結婚してひたすら地味な生活をしているお姉ちゃんみたいになりたくないわ!と自己流で恋をしたところイタタタタな目にあったり、お姉ちゃんはお姉ちゃんで妹にけしかけられたり夫があまりにも自分のほうを見ていないのでフワフワと現代っ子たちの生活に引き寄せられてみたもののやっぱりイタタタタな目にあったりするお話。
やがては収まるところに収まってハッピーエンド、というプロット自体はオーセンティックそのものなのですが、冒頭でいきなり熱烈なラブシーンの撮影風景に始まったかと思うと「この映画にはこんな扇情的なシーンはでてきません」という人を食ったようなナレーションが始まるメタラブコメな感覚だったり、名優たちが大挙してカメオ的に登場していたりと、嫌味のないおふざけ感覚がスピードあふれる演出とあいまって大変ゴキゲンです。何しろ冒頭から「現代はスピード!スピード!スピード!」と解説されてしまうほどの高速展開。突然始まるミッキー・カーチスのダンスホールでのロカビリー・ショウのシーンも生命力漲る楽しさ(ちなみに『若い娘たち』でも唐突にオンステージが始まるというお約束ぶり)で、主題曲ウェディング・ロックも踊りだしたくなるような名曲です。

でもさらにオススメしたいのは『若い娘たち』!生きているって楽しいな!という主題歌どおりに本当に楽しいラブコメディ。石坂洋二郎の『霧の中の少女』収録作を原作として描かれるのは、5人姉妹の4女で気が強いヒロイン(もちろんこれが雪村いづみ!)と、彼女の家に下宿する医学生のジリジリするような恋を中心にしたご近所物語。
お姉ちゃん3人とも2階に下宿していた学生と結婚してしまって、近所でも有名な下宿屋だなんて!まるで結婚相手を捕獲するために貸間やってるみたいじゃない!しかもおしゃまな妹はそれを楽しみにしてるみたいだし!ああなんだか気にいらない!と苛立った主人公は、明らかに素敵だと思いながらもぶっきらぼうな態度をとり続け、でも彼が他の女の子と仲良くすると腹が立つ。彼は彼でヒロインを好きになってるんだけど最初に「あなたとは付き合うつもりないから!下宿のサービス提供するだけだから!」と宣言されていて、彼女に近づく勇気が出ない。ふたりの関係を指して当時の新語だったと思しき「自意識過剰」という言葉が使われているのも可笑しかったし、主人公たち以外の恋の様子が描かれるサブプロットもなかなか楽しい。
何より見ていて「ああこれってジェイン・オースティン小説型のヒロインじゃないか!」と気付いてニコニコしてしまいました。意地っ張りな「下の子」ヒロインがやがて結婚というゴールに素直に向かえるようになるまでの他愛ないのに愛おしいキュートな心模様が、友達や家族や近所のおじちゃんおばちゃんたちを交えて綴られるのだから、まさにあの世界といえるでしょう。つまり、ガールズ必見。

最近見た新作映画でいちばんファッション・コスプレしたくなった『ヘルプ~心がつなぐストーリー』と同じくらいワンピース映画なのも印象的でした。私がかわいい20前後のお嬢さんだったら、即座にこの映画のいづみちゃんみたいなショートカットにして、大学祭に着ていく丸襟に前ボタンのパフスリーブ、チューリップ柄のワンピースを探し始めたことでしょう。もしくはこの写真のような肩のところでボタンをとめるドット柄のワンピースを探していることでしょう。ヒロインの親友かつ恋のライバル?な医大生女子を演じた水野久美が着ていたリボンタイつきのブラウスも可愛かった!そう、1950~60年代の日本映画にはファッション映画としての楽しみも詰まっているのです!

新作映画も見たいものが目白押しなのですが、ソフト化されていることも少ない旧作日本映画は劇場で見られる機会を逃せないので(BSやCSで放送されることもあるのですが、私はどちらも入っていないので…)、ついつい優先してしまうのが最近の悩み。ま、古かろうが新しかろうが、私にとっては同じキューティー映画の枠なので、どちらが良いというものでもなく、日々楽しい映画はたくさん生まれているし、過去にもたくさん楽しい映画があるよ!ということだけなんですよね。そんなわけで日本の古い映画ってあんまり見たことないけど、楽しいガールズムービーなら見てみたいな!というお嬢さんがたがいらっしゃったら、機会があれば是非、劇場でご覧くださいませ!

追記:情報収集にはこちらの「名画座なう」が便利。http://meigazanow.seesaa.net/
上映スケジュールのチェック、どうぞお忘れなく! (@vertigonote)

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