【Movie】男の子が好きなもの知ってるわ/『キューティ・バニー』

こんばんは。vertigonoteです。

今回ご紹介するのはまたまた日本では劇場未公開だったのですが
見ればとびきり元気が出るキューティー映画『キューティ・バニー(2009)』。
プレイボーイ誌の人気バニーガールのシェリーが27歳になった途端クビを宣告され、プレイメイト用マンションを追い出されてやっと見つけた仕事は「イケてない女子」が集まる潰れかけた大学寮での寮母さん!というプロットからして とってもキュート、それでいてもちろんしっかりフェミなガールズ・コメディの佳作です。

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えー、内容は画像貼ったらどんな映画かすぐ分かると思います。

こんなかんじのプレイメイトのアンナ・ファリスが

地味女子しかいない潰れかけた女子寮「ゼータ」の寮母さんに潜り込み

「見た目って大事よー!」と大改造!「モ、モテるって気持ちいい……!」

しかし、この映画が素晴らしいのはそこで終わらないこと。決して「変身したらあっち側!モテ万歳!」になることがない理由は、スタッフを見れば一目瞭然。脚本は『キューティー・ブロンド』でおなじみカレン・マックラー・ラッツ&キルステン・スミスのコンビ、衣装は『ロミー&ミッシェル』や『25年目のキス』、『魔法にかけられて』といった作品で私を死ぬほどときめかせてくれたモナ・メイ先生(「トウが立った女子のチープでジャンクで最高にキュートな原色+パステルカラーのお洋服」を手掛ける率高し)、そして自分の最大の魅力が何かを完璧に心得た「女装する女子」であるところの主演のアンナ・ファリスが製作総指揮にも加わっている。

ゴージャスに変身して大人気、調子に乗ったゼータの女の子たち(グループメンバーには今や大人気のエマ・ストーンやカット・デニングスも出てますよ!)は自分たちが「選別者」となってしまう。繰り返し出てくる”I Know What Boys Like”のように「男の子が好きなもの知ってるわ」の塊みたいなシェリーも、素朴な優しさを捨てて文化系男子に合わせようとして無理して大失敗。このギャルでもパンクでもナードでも、外側がどうであっても、あなたがあなたであることを見失わないで!というスタッフ陣の一貫したメッセージが美しい。「可愛いは世界を救う」からさらにその向こうへ、ネクストレベルのやわらかなフェミに着地する。イケてない女子も、ブロンドのかわいこちゃんも、結果的にすごくまっとうな「わたしがわたしでいることのたいせつさ」に思い至る「すこやかさ」が私は大好き。

ただしこれ、「大傑作」にはなり損ねた作品ではあるのです。脇のキャラクター描写に詰めが甘くて特にゼータの女子たちが単なる「変人」になってしまっていて、もともと持っていた内面の魅力や個性がほぼ描かれてないように見えるのです。小さな世界で過ごしてきた女子たちが新たな世界に簡単に染まって自分を見失うことの危険や見た目が変わると(よくも悪くも)内面が変わることをちゃんと描き出すには、それぞれが持つ「ハート」を描くという欠かせないポイントを外してしまったのが残念。

でもその欠点を全部忘れさせてしまうのは、なんといってもアンナ・ファリスのチャームがハンパないから。全盛期のゴールデイ・ホーンってこんなかんじだったのかしら。「女子だけの生活が最高なのはよくわかってるわ!」「いい?目は顔の乳首よ!」とか言いながら目をくるんくるん動かして跳ねまわる27歳のハイテンションなバニーガール、シェリー(および実際は32歳のアンナ・ファリス)を好きにならずにいられない。
女子の馬鹿騒ぎにふさわしい、ミーハー全開なサントラも大好き。オープニングはBow Wow WowのI Want Candyで大改造計画が始まるとアヴリルのGirlfriend、パーティではThe Ting Tingsの”Shut Up and Let Me Go”(最近見たこのテの映画でThe Ting Tingsを聴かないことがない気がするよ?)そして最後は全員で”I Know What Boys Like”!
受け入れてくれる仲間がいるっていいよね、というシスターフッド――仲間たちと一緒にお洒落して、歌って、踊って、色々あるけど人生は最大限に楽しくパーティしていきましょ!という女子魂が、色彩の洪水のような美術と衣装とともに炸裂する尋常ではないエンディングの多幸感。こういう女子グループものが好きなら一緒に「キャー!」って言いたくなること必至の、おすすめキューティー映画です。(@vertigonote)

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