【Music】ドアノック・アゲイン/小沢健二『LIFE』

こんにちは、高野麻衣です。
遅れてきた渋谷系、渋谷在住です。

前回もすこしだけ触れたように、90年代の「Olive」は、ティーンエイジャーだった私のバイブルでした。
歴史を作った雑誌ってきっと、愉しみ方も人それぞれのはずで、わたしにとっては完全なるカルチャー雑誌。だって、購読のきっかけがコバルト文庫の「まんが家マリナ」シリーズ――シャルル・ドゥ・アルディの国フランスにあこがれ、少しでも近づきたくてパリ特集を手にする――でしたから、筋金入りです。
映画、海外文学、ミステリー。雑誌が教えてくれたことの、なんと芳醇なことか!

音楽でいえば、完全に渋谷系の残り香で生きていました。
すでにフリッパーズ・ギターは解散していたし、実際に出かけられるのは夏休みだけだったけれど、渋谷のホットスポットについて繰り返し読んでは、聖地巡礼をするのです。
15か16才の頃、小沢健二が始めた「DOOWUTHALIKE」(=勝手にしやがれ。お気にめすまま。)という連載が大好きで、あのころみんながそうしていたと思うけれど、毎号切り抜いてマイ・ドゥワッチャとして製本したものをいまでも持っています。
最初は詩やことばの実験的な企画だったのに、途中何度も小沢さんがオトしちゃう。
そこで編集者が苦肉の策としてインタビューとか、対談、フォトセッションでページを埋めていく。
そのうちだんだん、小沢さんのほうでも「現在の心境を語る」的エッセイのほうが書きたいかもって開き直っちゃって、後半はほとんどエッセイ。
それがもう、すばらしいエッセイでした。

わたしはたぶん、すこしお姉さんの人たちがそうであるように「王子様」としてでなく、あくまで「文豪」として小沢さんを好きだったし、いまも好きなのだとおもいます。
洗練されたメロディ、ベースラインやアレンジもさることながら、やっぱり歌詞がいちばん好き。
だから彼が復活ライブをやることよりも、「ちょっとドゥワッチャっぽい」展覧会を渋谷でやってくれることのほうが、うれしくてたまりません。

「ドアノック」とは、1994年の名盤『LIFE』に収録された「ドアをノックするのは誰だ?」のこと。
連載ページに飾り縁のように直筆譜がついていたので、テーマ曲として、読みながら脳内再生していました。

「愛し愛されて生きるのさ」は、人生の指針です。
お別れには「僕らが旅に出る理由」を歌います。
アルバムの曲を再生するたびに、いつだって、ドアノック・アゲイン。

なんだか「ぼくの叔父さん」小澤征爾や、対極の天才TKのことも語りたくなってきましたが、本日はここまで。
おやすみなさい、仔猫ちゃん。

http://hihumiyo.net/

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